伊豆箱根鉄道駿豆線を訪ねた時、起点となる三島駅までは東海道本線の普通列車に乗っていましたが、三島駅で特急「踊り子3号」に追いつかれてしまいました。
しかし降りる駅が偶然にも特急停車駅だったので、急遽E257系「踊り子3号」にちょっとだけ乗ることに。
その際、三島駅で座席未指定券を発行してもらいました。

ここで思った!
駿豆線内だけ特急に乗りたい時ってどうすりゃいいの?と。

今回は、E257系特急「踊り子」を駿豆線内のみで乗りたい場合の乗り方をブログにします。
併せて、「踊り子」も含まれる首都圏発着(東京・新宿発)特急列車指定席特急券及び座席未指定券についても解説します。

【2024/3/12更新】2024年3月16日ダイヤ改正をもって首都圏近郊の特急列車が全て指定席化するため、それに合わせて追記します



首都圏発着特急列車に導入

最初に首都圏発着特急列車の指定券システムから解説しますね。

JR東日本東京駅・新宿駅に発着する、以下の方面へ向かう特急列車は全車指定席です。
そのかわりに座席未指定券のシステムが導入されています。
2024年3月16日ダイヤ改正により、房総方面の特急列車も全車指定席化することになりました。

  • 中央本線系統「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」
  • 常磐線「ひたち」「ときわ」
  • 東海道本線系統「踊り子」「湘南」
  • 高崎線「あかぎ」
  • 房総半島方面「しおさい」「(新宿)さざなみ」「(新宿)わかしお」
  • 成田空港アクセス特急「成田エクスプレス」

全車指定席のこれらの特急で、乗車区間と乗車日のみを指定し、特定の列車と座席は指定しないのが座席未指定券です。
「草津・四万」についてはこちらをご覧ください。

「スワローあかぎ」からはじまったシステム(いわゆるスワローサービス)ですが、首都圏発着の特急列車に徐々に広まりました。
そして、2024年3月16日からは全ての首都圏発着特急で導入されます。



料金体系もちょっと違う

他の地方で見られるA特急・B特急料金などとは異なり、首都圏特急は独自の料金設定になっています。
まず、普通車指定席は以下の通り。

  • 営業キロ50kmまで:760円
  • 100kmまで:1,020円
  • 150kmまで:1,580円
  • 200kmまで:2,240円
  • 300kmまで:2,550円
  • 400kmまで:2,900円

こども半額かつ、通年同額です。
座席未指定券も同じ料金となります。
上記は事前料金であるため、車内で特急券を購入すると260円加算されるので注意!

次に、グリーン車指定席の料金も掲載します。

  • 営業キロ50kmまで:大人1,530円・子ども1,410円
  • 100kmまで:大人1,790円・子ども1,540円
  • 150kmまで:大人3,850円・子ども3,320円
  • 200kmまで:大人4,510円・子ども3,650円
  • 300kmまで:大人6,210円・子ども5,200円
  • 400kmまで:大人6,560円・子ども5,370円

普通車・グリーン車とも、会員登録制のえきねっとチケットレスサービス」を利用すると、紙の特急券から100円(子どもは50円)値引きされるそうです。

成田エクスプレスにも変化が

【2024/3/12追記】

今まで「成田エクスプレス」に限り、他の特急列車の特急料金とは異なる料金設定が続いていました。
しかし、2024年3月16日ダイヤ改正では、「成田エクスプレス」の料金設定にも変更が加わります。

成田空港駅・空港第2ビル駅に行かない場合、またはそこから乗車しない場合は、大人760円からの特急料金で乗車できるようになります。
普通車指定席の、千葉~東京・新宿間は760円、千葉~横浜間・成田~東京・新宿・横浜間は1,020円、成田~大船間は1,580円です(いずれも子ども半額・通年同額)。

ただし乗車区間に成田空港駅・空港第2ビル駅が含まれる場合は、以下の料金(普通車・グリーン車、大人)になります。
こちらも通年同額です。

  • 営業キロ50kmまで:1,290円・2,060円
  • 100kmまで:1,730円・2,500円
  • 150kmまで:2,390円・4,660円

「えきねっとチケットレスサービス」で買うと、上記の金額から100円(子ども50円)値引きされます。

これは、「成田エクスプレス」専用車両だったE259系が、ダイヤ改正後は総武本線特急「しおさい」にも導入されることを踏まえた上での変更でしょう。
これにより、これまで同列車で活躍してきた255系を置き換えます(255系は波動化)。

成田空港に行かなければ「成田エクスプレス」の特急料金が引き下げられるので、空港とは関係ない区間でも同列車を利用しやすくなるのではないかなと思います。

指定席券売機での買い方は

これらの列車の特急券を購入する場合、紫色のパネルが張られた指定席券売機で買うことができます。
指定席特急券はもちろんですが、座席未指定券も指定席として購入する必要があります。

「指定席」のボタンを押し乗車予定の方面・乗車区間・乗車日・時間・日付を入力。
その後、特急名が表示される画面で「自由席」の欄にある「座席未指定」というボタンから発券できます。
あくまでも乗車区間と日付のみを指定するのがポイント!

特定の列車や座席を指定しないものの、きっちり指定席料金を払う上に一年を通して同じ料金のため、できれば列車と座席も指定して特急に乗る方が良いでしょう。
最初から列車・座席を指定する場合は、乗車する列車、座りたい座席も発券時に決めてください。

しかし、座席未指定券のメリット乗車する特急を明確に選ばなくても良いところ。
たとえば予約しようと思ったら満席だった時や、自分の都合が合わず具体的なプランを決められない場合などは、時間を選ばずに特急に乗れる座席未指定券のほうが有利かもしれません。

また、座席未指定券を買ったけど後から指定券に変えたい場合も追加料金なし
もともと指定席料金を払ってるので、後から列車・座席を指定しても大丈夫です。



駿豆線内の利用は駿豆線改札から

…と、ここまではJR線内での話。
続いては伊豆箱根鉄道駿豆線内での話をします。
JRではないので少々注意が必要です。

この時の私は、三島駅から伊豆長岡駅まで乗車しました。
三島駅で修善寺方面への特急券を購入する場合、JRではなく駿豆線の窓口で特急券を購入します。
駿豆線内のみの利用時に発券されるのは座席未指定券のみです。

駿豆線内の特急料金は200円です。
どこからどこまで乗ろうと200円です。
そして発券してもらった特急券(座席未指定券)は、なんと硬券でした!

駿豆線の改札機にきっぷ(特急券じゃないほう)を通し駿豆線の窓口で駅員さんに特急券に入鋏してもらい、「踊り子」にはJRのホームから乗車します。
改札は別でありながら、駿豆線コンコースとJR線コンコースは繋がっているんです。

ランプが赤い空席のみ着席OK

特急「踊り子」の駿豆線内の停車駅は、三島駅、三島田町駅、大場駅、伊豆長岡駅、大仁駅、修善寺駅です。

「踊り子」に乗ったら、座席上のランプが赤く点灯している座席(空席)に着席しましょう。
駿豆線内のみの特急券は実質自由席ですが、全部の座席が指定対象であることを念頭に置かなければなりません。

座席上のランプが青く点灯している場合、すでにその席は予約されていることになり、着席できません。

万が一、自分の座った席が先に他の人に予約されていた場合は、素直に席をゆずりましょう。
特定列車の特定の席を正規に指定した人に優先権があります。

「踊り子3号」を降りた伊豆長岡駅は、185系に乗り納めた時にも立ち寄った駅。
駅舎はアニメ『ラブライブ! サンシャイン!!』のラッピングが行われており、駅前からは沼津駅行き、内浦方面行きなどのバスが発着しています。

世界遺産・韮山反射炉の最寄り駅にもなっているので、観光目的でこの駅を利用する機会は大いにあるのではないでしょうか。
この写真↓を撮影した反射炉踏切から韮山反射炉へ通じています。

富士急行線内だけで特急に乗るなら

今回関係ありませんでしたが、駿豆線と似たようなパターンで、富士急行線に乗り入れるJR特急「富士回遊」があります。
それにも簡単に触れましょう。

「富士回遊」は、E353系3両編成を使用する特急列車です。
JR新宿駅から大月駅までは「あずさ」「かいじ」に併結しており、大月駅から3両単独富士急行線に乗り入れます。

富士急行線内での停車駅は、大月駅、都留文科大学前駅、下吉田駅、富士山駅、富士急ハイランド駅、河口湖駅です。
平日は3往復、休日は4往復運行しています。

「富士回遊」も「踊り子」と同じように、富士急行線内だけで乗車することも可能です。
その場合、特急料金(全て座席未指定券)は以下の通りです。

  • 大月~下吉田以西:大人600円・子ども400円
  • 大月~都留文科大学前:大人400円・子ども300円
  • 都留文科~下吉田以西:大人400円・子ども300円
  • 下吉田~河口湖:大人400円・子ども300円

富士急行線だけ利用の特急券は座席未指定券となるため、ランプが赤色の空席に着席してください。

なお、富士山~河口湖間だけなら、特急券なしで「富士回遊」空席に乗車できます。
JR線に直通して「富士回遊」に乗ると、もちろんJR線の運賃・特急料金もかかりますので、それも踏まえた上で、首都圏発着特急を利用してみてください。



さいごに

今回はE257系特急「踊り子」に、伊豆箱根鉄道駿豆線内だけで乗る場合の話と、首都圏発着特急列車指定席特急券・座席未指定券のことを解説しました。

座席未指定券は、赤色のランプの座席(空席)を利用することになり、他の人に席を予約された場合は譲らないといけない反面、具体的に乗車予定の列車や座席を決められない場合には有利になる可能性がありますね。

駿豆線内のみで「踊り子」に乗りたい場合は必ず座席未指定券を使うことになります。
三島駅では駿豆線の改札を通ってJRのホームに上がる流れです。

185系の時と比べて特急料金が必要になりましたが、それでもたった200円!

また、185系ラストランの時を思えばめっきり鉄道ファンは減りましたが、そんな時こそゆったり特急に乗ったって良いじゃないですか!
正しく利用して、快適・便利・気楽に乗りこなしましょう。

今回はここまで!
ありがとうございました!

参考

JR東日本公式サイト
ご利用方法 首都圏発着在来線特急のご案内
房総特急変わります

富士山麓電気鉄道(富士急行線)公式サイト
JR・富士急行直通特急 富士回遊