2021年3月13日の鉄道各社のダイヤ改正が迫って来ました。
その中でも特に、特急「踊り子」や「湘南ライナー」でおなじみのJR185系が定期運用から離脱することで、連日多くのファンが沿線に駆けつけています。

また、185系は首都圏近辺で見られる最後の国鉄形特急車両になっていることから、ますます注目が集まっております!

お恥ずかしいことに私、今まで「踊り子」に乗れる機会が全然なく、気づいたらもう定期運用引退間近になってしまっていた…。
そこで、個人的な撮影で伊豆箱根鉄道駿豆線を訪れた帰りに、修善寺駅発の特急「踊り子16号」に乗って帰ってきました。

これが私の185系乗り納めになります!



様々な運用に対応するように開発

もともと185系は、国鉄時代の1981(昭和56)年に製造された特急形車両です。
それまでの特急「あまぎ」と急行「伊豆」を統合した特急「踊り子」として、同年10月にデビューしました。

また1982(昭和57)年には耐寒・耐雪装備の200番台も登場。
こちらは、登場時は上野~大宮間の「新幹線リレー号」として走り、その後は特急「水上」「草津」などで活躍しました。

特急列車だけでなく通勤・通学輸送にも対応できるように設計されたため、普通車の乗降ドアは片側2ヶ所に設置され、座席も当初は転換クロスシートでした。
1995(平成7)年、および1999(平成11)年から内装の改良が行われ、その時に転換クロスからリクライニングシートに交換されたので、より特急列車らしい内装になったといえるでしょう。

現在はすでに東京~伊豆急下田・修善寺間の「踊り子」と朝夕「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」で走るのみとなっており、これもあとわずかとなってしまいました。

【2022/8/8追記】すでにE257系に置き換わって時間が経ちました。E257系関連の記事はこちら▼

温泉街から三島の市街地へ

さて、今回のスタート駅は伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅。
中伊豆の有名な温泉街ですが、この駅を15時39分発の「踊り子16号」に乗車!
指定席の13号車で、海側(東京に向かって右側)の座席を選びました。

ここから三島駅までは駿豆線を走行、かつ熱海駅までは5両編成で走ります。

修善寺駅から最初に停まる大仁駅までは山に囲まれており、その中で急カーブが連続します。
加えて、あまりきつくはないけど勾配も付いており、割と山岳区間っぽい様相。
そのため特急らしい走りは大仁駅を出てから。

田京~伊豆長岡間の川野公園では、線路沿いに咲く河津桜が見どころ!
乗車日の時点で、大部分が花びらを散らしており、あと数日で葉桜に変わり終えるところでした。

住宅地を流れる谷戸川と少しだけ並行した後、川野公園の桜を掠めて伊豆長岡駅へ。
伊豆長岡駅から、駿河湾に接する内浦方面へのバスが発着しています。
また、世界遺産「韮山反射炉」の最寄り駅でもありますが、畑の広がる地区を歩くので時間と迷子に注意!

アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』のアニメーションPVに駿豆線が登場したことから、駅舎もかわいい装飾で飾られていました。

伊豆長岡駅から台場大場駅付近まで、住宅と畑が混在するのどかな沿線を、抵抗制御ならではの轟音を唸らせながら走ります。

電車と富士山を一緒に撮れる有名撮影スポットは、大場駅から三島二日町駅方面に歩いて20分くらいの「北沢林道踏切」。
来訪日はあいにくの天気でしたが、晴れていれば遠くの富士山がハッキリ写ります!

駿豆線内最後の停車駅、三島田町駅からは、三島駅までひたすら右に大きくカーブ。
三島駅ではJRのホームに発着しますが、JRホームの途中に割り込んでくるため、ホームは車両の接触を防ぐために一部が削られています。
これもポイント!

ちなみにダイヤ改正以降はE257系が乗り入れ、同車は185系よりも寸法が若干長いため、さらに若干ホームが削られました。



丹那トンネルに響く抵抗制御の爆音

三島駅からはJR東海道本線になります。
次の停車駅、熱海駅までの通過駅は函南駅だけですが、三島~熱海間は距離が意外と長い上、函南駅を通過してからは長い丹那トンネルを抜けることになります。

185系は抵抗制御という制御方式で、発車直後や停車直前には耳障りの良い和音が響きますが、高速域に近づくにつれて「ヴァァァァァァァァァ」という、唸る走行音に変わっていきます。
その唸りがトンネル内で反響しまくるので、正直かなりやかましい(笑)

とはいえ、このやたら唸る爆音も国鉄時代の車両ならではの魅力でしょうか。
丹那トンネルを抜けると進行方向右手に伊東線が合流し、熱海駅に到着です。

この駅で、伊豆急行線からやってきた10両編成の踊り子と連結します。
連結すると修善寺発の5両編成が前側、伊豆急下田発の10両が後ろ側に。

さすがに185系の引退が迫っているのか、ホーム上は踊り子同士の連結を撮影しようと鉄道ファンで混雑していました。
私が見ていた限りでは誰も乱暴な真似をしたり罵声を放ったりしていなかったので、この日は良かったと思います。

ちなみに昨年の夏には伊東線を訪れました。
その時は185系に乗っていませんが、伊東線内を走っていたところを撮影しておりますのでよかったらこちらもどうぞ。

相模湾ギリギリの線路を駆ける

熱海駅からは15両編成となり、東海道本線もJR東日本の区間となって、さらに先に進みます!

熱海駅から小田原駅付近まで、右手の相模湾がギリギリまで接近しており、右を向けば目の前に広がる一面の海!!
このために海側の座席を取ったも同然なのです!

根府川~早川間の石橋橋梁、いわゆる「ハヤネブ」の撮影ポイントからも、電車と海の近さはよく分かります。

石橋橋梁を渡ってトンネルに入り、早川駅を通過したらまもなく小田原駅です。

だんだん生活感ある沿線に戻ってくる

小田原駅から、次の大船駅までを取り上げましょう。

小田原駅より東側は普通電車の本数も多くなり、生活感ある沿線に戻ってきている感じでしょうか。
御殿場線と接続する国府津駅から某ロングビーチでおなじみ大磯駅を通過したあたりまでは、右手遠方に相模湾が見えていますが、平塚駅に近づくにつれてお別れです。

平塚駅を通過すると、相模湾にそそぐ広大な相模川を渡ります!
ここも連日多くのファンが撮影に訪れているんだとか。

私が乗っていた13号車は、修善寺駅の時点で鉄道ファンを含む乗客で半数以上席が埋まり、三島駅や熱海駅で少しずつ入れ替わっていたものの、わたしが降りるまで終始半分以上の席が埋まったままでした。

乗車直後は友達同士で談笑していた声も、だんだん静かになり、眠ってしまう人も多かったです。
ぶっちゃけ私も藤沢駅付近まで寝てました(笑)。

右手に鎌倉車両センターが見えたらまもなく大船駅です。

名残惜しいが横浜駅に到着

大船駅を出たら最早あと少し。
横須賀線と並走しながら戸塚駅、東戸塚駅、保土ヶ谷駅と通過。

左手に相鉄本線が並び、相鉄線が相鉄ジョイナス内のホームに入っていくところが見えたら、「踊り子16号」も横浜駅に到着です。
名残惜しいけど私の185系乗車はここまで。

185系の「踊り子」としての最終運行は3月12日なので、安全とマナーを守りつつ、悔いのない鉄活をお過ごしください。



さいごに

今回は修善寺駅初の特急「踊り子16号」に乗って、185系を乗り納めしました。

13日のダイヤ改正後は、特急「踊り子」「湘南」としてE257系が、引き続き「サフィール踊り子」としてE261系が特急の看板を引き継いでいくので、彼らへの期待を込めつつ、ブログ記事を締めましょう。

最後の最後に、185系の定期運用離脱が秒読みになっていることで、連日多くのファンが各駅と沿線に詰めかけています。
鉄道運行の妨げにならないよう、また他の人に迷惑をかけたり怪我をさせないよう、一人一人が安全とマナーを重んじた行動をお願いします。

今回はここまで!
ありがとうございました。