当サイトではじめて、HOスケール(1/80)に触る機会がついにやってきました!

長野県唯一のホビーメーカーとして様々なキット・モデルを展開しているPLUM(株式会社ピーエムオフィスエー)から、1/80プラスチックキット「小型機関車 L型オレンジ/凸型グリーン」が、2025年11月に発売されました。
色分け済み3ランナー構成で組み立て簡単というこのキット、なんと価格3,850円(税込)

手に取りやすい価格・サイズで、L型オレンジを買ってきました。
今回は、PLUMプラスチックキット「小型機関車 L型オレンジ」で素組みの制作例を解説します!

やってみたら本当に組み立て簡単!
ですが、部品そのままでは上手くいかない部分もありました。
この小型機関車キットを組む参考になれば嬉しいです。


1/80のスイッチャー型ディーゼル機関車

改めまして、こちらが「小型機関車 L型オレンジ」キットのパッケージです。
台紙の裏側が説明書になっています。
この台紙、編成例や切って使える標識も印刷されていて、無限に夢が膨らみそう。

袋を開けると入っているのは、本当に3枚のランナーだけ。
これだけで、小型ディーゼル機関車を1両組み立てることができるそうです。
袋を留めている糊が少し強いので、部品を傷つけないように注意しましょう。

L型・凸型とも、全国の貨物駅や専用線などで見られたスイッチャー(入換機)をモデルにしています。
ただ組み立てるだけでも十分ですが、自前で塗装・改造することでもっと理想的な形態を再現できるかもしれません。
さらに、カプラーは他社製に交換できる上に、「コアレスパワートラック26PⅡ(φ10.5プレート車輪)」(天賞堂)などで動力化もできちゃいます。
初心者も手に取りやすいうえに遊び方の拡張性も高い、意欲的な商品だとお見受けしました。

冒頭で挙げた通り、ピーエムオフィスエー「PLUM」ブランドは、長野県唯一のホビーメーカーとして、アニメ・ロボットフィギュア(組み立てキットも含む)などを多数発売しています。
鉄道模型においては、おもに1/80のプラスチック・ペーパーキットを展開中。
これまでにも209系や201系のキット、及び関連部品を発売しています。

ちなみに、Nゲージだと1/150ストラクチャーのペーパーキットが中心で、小湊鐵道タイプ駅舎や、ディスプレイ専用の多摩都市モノレール1000形キットも出てますね。
JR東海の公式通販「JR東海MARKET」限定商品で、クハ113形プラスチックキット(1/80)や、沼津駅舎ペーパーキット(1/150)なんてのも販売されています。


ランナーから部品切り出し

では、キットを組んでみましょう!
今回は大がかりな加工はしないで、これらの部品だけで完成を目指しましょう。

ニッパーで、ランナーから部品を切り取ってください。
いきなり部品ギリギリを攻めず、ゲートを多めに残した状態で切る!

その上で、ニッパーまたはカッター・デザインナイフで残したゲートを完全に除去
ランナー部品は二段切りで切り取りましょう。
こうすることで、部品の大事な部分を誤って切り離すリスクを軽減できます。

しかし、それでもゲート痕は残るもの。
カッター・デザインナイフまたは紙ヤスリでギリギリまで削りましょう。
部品の面より若干盛り上がったゲート痕を放置すると、別の部品を組み付ける時に奥まで入らない可能性があります。

ボンネット上部には余剰箇所がありました。
生産の都合上、切り落とさずに袋詰めされたと思われますが、組み立て時に平滑にしましょう。

L型機関車のみ、ユーザー選択でボンネット上部にマフラー煙突を取り付けできます。
煙突を組み込む場合、ボンネット裏側のガイドをドリルで開口してください。

必要なドリルは1.5mm径ですが、最初に1.0mm径で開けるとズレにくいです。

ゴム系接着剤で固定すると確実ですが、私は後日塗り替えたいので接着剤は使わないでおきます。

なお、一部部品はゲートとの境目が分かりづらかったです。
説明書をよく見て、切っちゃいけないところを把握してください。


削って調整も必要だった

ひととおりパーツの切り出しができたら、完成まで持っていく前に仮組みをしましょう。
部品同士の合いを確認します。
私が試してみたところでは、以下の組み合わせは部品がやたら固かったです。

  • 床板と両エンドパーツ
  • ボンネットとキャブの接合部
  • キャブの構成パーツ(4面+屋根)

加工・メンテナンスをするなら部品は適度に取り外しできるほうが良いです。
しかし、固すぎると部品が奥まで入りにくい外そうとしても外れないなど起こります。
私も仮組み中に片方のエンドを曲げて、解放テコを折ってしまいました(プラセメントで修正済み)。

仮組みして固かった部分は紙ヤスリで削るようにしましょう。
適度にヤスった後で再度仮組みして、納得いく固さになるまで繰り返しです。

とはいえ削りすぎも良くありません。
必ず、部品同士を軽めに合わせながら調整するようにしましょう。


向き固さに注意しながら組み立て

全てのパーツを切り出し、調整が終わったらいよいよ本組み開始!
……といきたいのですが、今回は先に中性洗剤を溶かした水で洗浄します。
水から引き上げた後は、キッチンペーパーと綿棒で水分を取り除いてから組み立てに行きましょう。

部品を削った時に除去しきれなかったプラスチック粉を洗い流すのが目的でやりました。
しかし、加工中に付いた油分を除去して塗料を弾かれにくくする効果もあります。
改造派にはそっちのメリットも大きいかなと。

では組んでいきます。
まずは台車と車輪を組んだ状態で、床板へ装着しましょう。

台車の丸い突起は1箇所しかないので、床板に取り付ける向きが決まっています。
その通りに嵌め込めばOK!

続いてはカプラーとカプラーポケットをセット!
このカプラーだけでも連結できて首も振れますが、後で他社製カプラーに交換できます。

この状態で床板裏側に取り付けましょう。
カプラーは長めで正面復元はしないため、連結させる場合は他社製カプラーに交換すると良さそう。

カプラーの後にエンドパーツを取り付けると作業しやすいです。
スカート開口部の右下にエアホース取付穴が開いているので、エアホースも付けちゃいましょう。
固さは問題ありませんが、気になるなら仮留め程度に補強すると良いです。

ただし、L型オレンジのエンドには違いがあります!
解放テコが長いほうがボンネット先端側短いほうがキャブ側です。
写真は解放テコの前後に間違いがありました。

床板のエンドパーツ取り付け突起は、結局ギリギリまで切り詰めました。
ここまでやらないと奥まで入りませんでした。

ボンネットとキャブは、各4面をまず組みましょう。

キャブ・屋根の突起も噛み合わせが固いです。
各1辺を少し削るとちょうどよい固さに軽減されます。

したら両者をドッキング!
ボンネット・キャブ勘合部を削ったおかげで適度に固いけど取り外しもできる、ちょうどよい塩梅で固定できました。
というか、ここを削らないとむちゃくちゃ固くて入りません。

あとは、車体の爪を床板に嵌め込みます。
押し込むだけだときっちり固定されないので、床板を爪にしっかり噛ませましょう。
なお下の写真はエンドの前後を間違えています。

あとは、ランボードの穴8箇所に手すりを、ボンネット上部にマフラー煙突を差し込めば完成です!
手すり・煙突はゴム系接着剤推奨です。
改造・加工するなら改造後に接着剤留めしましょう。


素組みでも立派なHO!

さぁ、HOスケール(1/80)の小型ディーゼル機関車の素組みとりあえず完成しました!
エンドの前後も修正しました!

部品の勘合部を削った以外の改造は今のところしていないのに、3色のランナーパーツだけでこの仕上がり!
私のはじめてのHOゲージ車両としてもピッタリなキットでした。

上から見るとこう。
L型オレンジのアクセントは、なんといってもこのマフラー煙突でしょうか。
銀色で塗装したら見映えがもっと良くなると思います。

冒頭の通り、今回はデフォルトの部品だけで小型機関車を組んだ状態ですので、ユーザー次第で思い思いのディティールアップができます。
マフラー煙突以外にも、手すり・Hゴム・窓サッシへの色差しカプラー交換や動力化思い切っての塗装変更や手すり・解放テコを別体化など、マジでなんでもできそうです。

私もまだまだ手を加えていきます。
とはいえ、それはまたの機会にしましょう。


固定しても良さそうな部位

後日、エンドパーツの修正ついでに一部部品をプラスチック接着剤で固定しました。
あくまで私の考えですが、以下の部品同士なら固定しても良いと思います。

  • ボンネット4面(前・左右・上)
  • キャブ4面(前後左右)
  • 両エンドパーツとランボード(向き注意)

ただし、ボンネットとキャブキャブ側面・キャブ屋根接着しないままです。
今後の改造・分解・メンテナンスをしやすくするために、接着するしないの組み合わせを考えると良いでしょう。

両エンドパーツも正しい向きに修正した上で固定しました。
カプラーポケットは少し外しにくくなります。

また、本稿の段階では白手すりとマフラー煙突も固定していません。
改造・加工が終わった段階で、これらはゴム系接着剤で固定しましょう。
ちなみに、流し込みタイプのプラスチック接着剤は、多すぎると指を伝って表に出てしまうので注意してください(1回やらかした)。


さいごに

2025年11月にPLUMが発売した1/80プラスチックキット「小型機関車 L型オレンジ」。
NゲージのL型機関車と並べてみてもこの通り!
HOスケールって本当に大きいですね。

確かに素組みは接着剤を使わずに完成できましたが、嵌め合わせが固い部分は削って調整する必要があります。
ただ説明書をなぞるだけで良いというわけではありません。
それらを踏まえて、HOゲージ入門には十分な難易度でした。
グレードアップにはもう少しコストがかかりますが、このキットだけなら4,000円弱で手に入るのもありがたかったです。

ですが、素組みのまま終わっちゃ満足できない。
タッチアップや動力化など、素材が手に入った時に随時やっていこうと思っています。
今回はここまで!
ありがとうございました!