ホビーメーカー各社からいろんな種類が発売されているスプレー塗料
吹き付け専用に希釈済みの塗料が入っている缶をよく振って、ボタンを押すだけで塗料のミストが吹き出るお手軽アイテム!
私も鉄道模型の塗装にスプレー塗料をよく使っていますが、ついにエアブラシを買ったのでそちらに移っていくでしょう。

こんな風に、今までのスプレー塗料からエアブラシに移行したい
でも余ったスプレー塗料がもったいない
スプレーしか売っていない色もエアブラシで使いたい…。

それなら、そのスプレー缶から塗料だけ取り出しちゃいましょう!
今回はグリーンマックス鉄道スプレーを例に、スプレー缶から塗料の液体をビンに移し替える方法をご紹介します。
他社製スプレー塗料にも応用が利くので参考になれば嬉しいです。

※おそらく公式の使用方法ではないので自己責任でお願いします


スプレーしかないGMの京阪カラー

ホビー系塗料の封入方法は、大きく分けるとビン塗料スプレー塗料の2種類。
ビン塗料は筆塗りで使ったり、希釈の上エアブラシで吹き付けたりして使います。
対するスプレー塗料は最初から吹き付け専用に希釈済みで、缶をよく振ってからボタンを押すだけで塗料のミストが吹き出されます。

多くの色がビン・スプレーの両方で販売されていますが、例外的にスプレーしか販売されない塗料も存在します。
グリーンマックスの塗料だと「ダークグリーンA」(京阪ダークグリーン)や「ライトグリーンB」(京阪ライトグリーン)が該当します。

私の場合は「ダークグリーンA」をよく使います。
オハ31形やDD13形を江若鉄道タイプに改造するため、ダークグリーンの塗料が必要で、当初はエアブラシを持っていなかったのでスプレー塗装を中心にするつもりでした。

しかし、スプレーは噴霧範囲が広いため、実際に部品に吹き付ける以上の塗料をロスしてしまいます。
吹き付ける圧力を調整できないので、何両も塗れば使い切るのもあっという間。

それ以上に「スプレーしか売ってない色をどうやってエアブラシで吹けと?」とも思うこと、あるんじゃないでしょうか。
その解決法の一つとして、缶から塗料だけを出して自由に塗れるんです。
やってみたら意外と簡単でした!

塗料を缶から空きビンへ

では、屋外に出てやってみましょう!
塗料のミストや揮発するガスは有害なので、必ず換気・排気できる環境で作業してください。

取り出したい色のスプレー塗料と一緒に、ストロー空きビンとをご用意ください。
ビンはクレオスやタミヤのスペアボトルがちょうど良いです。
また、スプレー缶もよく振っておきましょう。

スプレー缶の吹き出し口にストローを固定しましょう。
口径が太くて曲がるストローをおすすめします。

そのままだと長すぎるので、長辺側を切って調整してください。
それをセロテープやマスキングテープで、塗料が漏れないようにガッチガチに留めます。
それでも多少はにじんでしまいますが、何もしないより断然マシです。

スペアボトルのキャップを開けて、マスキングテープで注ぎ口の中心付近を塞ぎましょう。

この時、完全には注ぎ口を塞がないのがポイント!
片方のスキマにストローを差し込み、もう片方から揮発したガスを逃がします。

この状態にセットできたら、スプレーのボタンを押して塗料を噴射!
…しても霧状にならず、ストローを伝ってスペアボトルに流れ落ちてきます。
使いたい分より少し多くなるまで溜めましょう。
曲がるストローだと頂点で噴射の勢いが弱まるので、塗料の跳ね返りを軽減できてオススメです。

ただし、缶・塗料の中に塗料を吹きやすくするガスが混ざっており、吹き出し続けるとガスの気化時に缶が一気に冷却されます。
取り出した塗料液も同様に冷えます。

缶が冷えるとガス圧の低下で塗料が出にくくなるかもしれません。
缶が冷たくなったらいったん噴霧を止めて、元に戻ってきたら再開しましょう。


塗料を出しても数日ガス抜き

こうして、スプレー缶から塗料の液体だけを取り出すことができました。
が、残念ながら出してすぐにはエアブラシに使えないので要注意。
液体塗料の中にも封入ガスが残存しています。

その証拠に、ビンに移した塗料をゆっくり撹拌してみてください。
激しくかき回していないのに細かい泡がせり上がってきます。
ガスが気化時に熱を奪った影響で残りのガスが揮発しにくい状況です。

そんな残存ガスも時間経過で揮発していきます。
ビンのキャップを半開きにし、換気の良い場所で安静にしてやってください。
とりあえず1~3日外に置いておきつつ、適宜撹拌しながら様子を見ましょう。

この時、キャップを固く締めるのはNG
キャップが開かなくなる、または揮発したガスの圧力で吹っ飛ぶ可能性があり、危険です。

最終的にガスの泡立ちがなくなれば完成です!

ドわすれ防止のためにも、メーカーや色名称を元々の缶から書き写すのをお忘れなく!

スプレー缶から移した塗料の使い方

スプレー缶からスペアボトルに移し替え、ガス抜きが終わった塗料は、筆塗り・エアブラシともに使用できるようになります。
それでも塗料成分は沈殿するので、使う時にはちゃんと撹拌させましょう。

筆塗りの場合はそのまま筆に含ませて塗装できます。
元々吹き付け向けの濃度に調整済み、つまり最初っからビン塗料よりも緩いので希釈しなくて良いです。
マスキング内部などの吹き込み・にじみを修正、その他細かなタッチアップに向いています。

塗料皿に塗料と同じ種類(ラッカー・水性アクリル)のうすめ液を張って、適宜筆先の回復や洗浄をおすすめします。
グリーンマックス鉄道スプレーはラッカー塗料なので、Mr.カラーうすめ液やガイアカラーうすめ液などをご準備ください。

エアブラシの場合も一応そのまま吹き付けできます。
ただし、エアブラシにスプレー塗料そのままは少し濃いかもしれません。

そのため、塗料と同じ種類のうすめ液で少し薄めてあげるとエアブラシで吹きやすくなります。
カップのヘリに塗料を当てた時、「流れ始めにやや抵抗あるけどあとはツーっと垂れていく」な感覚があればちょうど良いです。
いわゆる牛乳程度の濃さを目指しましょう。

ここまでの方法でスプレー缶から移し替えた「ダークグリーンA」を使ったエアブラシ塗装がこれです!
DD13形キャブの白いラインから下の塗装を修正しました。
スプレーよりも薄い層になるので、焦らずに何度も吹き重ねることで良い仕上がりを実現できます!

また、スプレー缶で余った「白3号」もスペアボトルに移しました。
それを使って、ダークグリーンの車体色の上から白いラインも塗装しています。

このカーブした白帯は、余ったスプレー塗料をエアブラシ用に切り替えたからこそできました。
キャブのタッチアップやエアブラシでの修正はこちらで詳しく紹介しています。


さいごに

今回は、グリーンマックス鉄道スプレーを例に、スプレー塗料の缶から塗料の液体だけを移し替える方法をご紹介しました!
ストローと空きビンで塗料を取り出せば、ガスの圧力で吹くだけだった塗料をエアブラシやタッチアップに使いやすくなります!

ただし、この方法が有効なのは、エアブラシを導入した時にスプレー塗料が余っている場合、またはビン塗料がそもそも販売されていない場合に限ります。
ビン塗料が使えるならビン塗料で買ったほうが安上がりです。

ちなみに私が持ってる中だと、GM鉄道スプレーは割と簡単でしたが、水性トップコートは泡立ちまくりで大変でした。

今後も少しずつエアブラシのノウハウを学んでいくので、参考になれば嬉しいです。
今回はここまで!
ありがとうございました!