【2023/3/18更新】2023年3月18日のダイヤ改正をもって、特急「ひだ」定期列車は全てHC85系に置き換えられました

鉄道開業150年記念 秋の乗り放題パス」を使った鉄道旅ということで、高山本線の乗車レポートを進めています。

岐阜~下呂間下呂~高山間で区間を分けて紹介し、前回までで高山駅まで進みました。
今回は、高山以北を富山駅まで一気に乗り通します。

せっかく飛騨高山まで来たので、特急形気動車キハ85系で運行される特急「ひだ」に乗りたいと思っていました。
ただ乗るだけでは物足りないので、ちょっと奮発してグリーン車に乗車!
今回は高山~富山間の紹介に加えて、特急「ひだ」についても触れていきましょう。

ここからは「秋の乗り放題パス」ではなく、通常の乗車券・特急券で旅を進めます。
いつにもまして文章量が多いので、以下の目次を活用して、お好きなところにジャンプしていただければ。

※撮影の都合上、写真の列車は上下線関係なく掲載しています



JR東海初の特急形車両

JR東海キハ85系は、1989(平成元)年に登場した特急形気動車です。
実は、JR東海の発足後に同社が最初に製作した特急形車両でもあります。

車体側面は軽量ステンレス構造で、先頭部のみ鋼製
そこに、JR東海のコーポレートカラーであるオレンジ色のラインがあしらわれています。
先頭車両は貫通型・非貫通型の2種類。
前面・側面とも窓が非常に大きいので、車窓の景色を心ゆくまで楽しむことができます!

また、このステンレス車体と鋼製前面の構造は、後の383系・373系にも継承されました。

ディーゼルエンジンには米国カミンズ社製(製造は英国)の高出力エンジンを2機搭載しており、スタイリッシュな見た目に反してパワーも非常に強いです。
車内にいてもエンジンの重低音がめっちゃ響きます。

キハ85系のデビューはもちろん、特急「ワイドビューひだ」
当初は名古屋~高山・富山間での運行でしたが、1995(平成7)年7月に大阪発着(1往復)が追加されました。
「高山祭」開催時などの多客期には臨時列車運行や、車両の増結が行われることがあります。
今回の取材中にも増結車が見られました。

2022年3月のダイヤ改正まで列車名に「ワイドビュー」と表記されていました。
残念ながら現在は取り止めになりました。

ちなみに、1992(平成4)年以降名古屋~紀伊勝浦間特急「南紀」にもキハ85系が使用されるように。
2022年10月現在、1日4往復運行しており、全列車が2両編成(自由席1両・指定席1両)になっているようです。

大窓とハイデッカーで眺望性バツグン

過去に名乗っていた「ワイドビュー」の通り、高い眺望性は今も健在。
窓が大きいだけでなく、客室内では座席が20cm高くなっています。
とにかく、窓からの風景が見ごたえバツグン
なお、車番の末尾が1100番台の車両ではバリアフリー対応のため、一部座席が通路と同じ高さに下げられました。

普通車の座席は2列+2列の4列。
車両ごとに異なる色のモケットが使用されています。

バリアフリー対応車両は、高山・飛騨古川止まりの「ひだ」は高山・古川方先頭車(3・4・8号車のいずれか)、富山行き「ひだ」は岐阜方先頭車(8号車)、「南紀」は紀伊勝浦方(2号車)です。

画像:写真AC

名古屋発着の「ひだ」にはグリーン車が連結されており、うち富山行きの列車以外は、普通車と合造の半室グリーン車キロハ84」が使用されています。
「キロハ84」のグリーン車は、普通車と同じく2列+2列の4列シートです。

一方、富山行き「ひだ」富山方先頭車(10号車)には、1両全てがグリーン車の「キロ85」が連結されています。
こちらの座席は2列+1列の3列シート

座席の幅だけでなく、前後のシートピッチも非常に広いです。
足元には2面式のフットレスト、荷棚裏に読書灯が備わっており、ひじ掛けにはインアームテーブルが収納されています。
もちろん座席のリクライニングも可。

画像:写真AC

2022年10月現在、全号車で無料Wi-Fiを使用可能です。
しかし、客室内に荷物置き場がなく、トイレは和式(グリーン車は洋式)で、バリアフリー対応以外は狭い印象があります。
そこに新型車両との差は出てしまいますが、十分快適な内装を有していることは間違いないでしょう。

グリーン車最前列でパノラマ展望

高山本線は、岐阜駅から富山駅まで、下呂温泉・飛騨高山経由で結ぶ全長225.8kmの路線。
前回の記事までは「鉄道開業150年記念 秋の乗り放題パス」を使用して高山駅までの景観や観光概略を紹介してきましたが、ここで「秋の乗り放題パス」の役目は終了。

今回は乗車券・グリーン車特急券を別途購入し、高山17時18分発・富山18時54分着の特急「ひだ13号」に乗車します。
2022年10月時点で、この列車にはキハ85系が使用されていました!

17時15分に高山駅に入線してきたキハ85系は、ここまでは7両編成で来ましたが、同駅にて後ろ4両を切り離しました。
解結作業を行った後、前3両(8・9・10号車、先頭は10号車)だけで17時18分に高山駅を発車。
見た目のスマートさからは想像もつかないほど重低音のエンジンを唸らせ加速を始めました。

ここから先は、3両編成で富山方面に向かいます!

豪勢にもグリーン車に乗った私が指定した座席は、10号車の1C
なんと、これは乗務員室すぐ後ろの1列シートの席です!
2列シートのほうは、窓側が1A、通路側が1Bです。

座席の座り心地も非常に良かったです!
前面展望と座り心地においてはキハ85系に軍配が上がるのではないかと思います。

高山の奥座敷から再び山中へ

さて、キハ85系の「ひだ13号」は高山駅発車後、市街地東部に離れていた宮川と再び合流し、川沿いに市街地を進んでいきます。
上枝(ほずえ)~飛騨国府間で山と山に挟まれながらも、市街地・住宅地および田園地帯は続く。
それをパノラマ展望で見ていられるのが本当に楽しいこと!

車窓風景を保ったまま、「ひだ13号」は高山市から飛騨市へ。
そして、高山駅から約13分で飛騨古川駅に到着しました。

「高山の奥座敷」とも称される飛騨市古川町。
駅の南西に向かって大通りを歩いていくと、瀬戸川沿いに続く白壁の土蔵街が見えてきます。
そこに、古川の町の歴史を垣間見ることができそうですね。

毎年4月19・20日に開催される、気多若宮神社の例祭にしてユネスコ無形文化遺産「古川祭(古川祭の起し太鼓・屋台行事)」も有名です。

飛騨古川駅を発車すると、次の停車駅は猪谷駅です。
もうしばらく住宅地や田園風景が続きますが、飛騨細江駅から右に大きく曲がって宮川と交差すると、再びのガチ山間部に突入します。
各駅の周辺に集落が形成されているものの、沿線の生活感は大きくうすれ、基本あるのは国道と時々ダム

蛇行しまくる宮川を横目に、高山本線はところどころトンネルで山を貫きながら進みます。
直線・曲線や交換駅進入に合わせて加減速を繰り返しながら、線路のジョイント音が心地良い速度で猪谷駅へ。

また、このエリアは冬に豪雪地帯と化すので、トンネルの出入口や山肌に接近する部分にスノーシェルターが設けられています。
途中駅の分岐ポイントにも、それを覆うようにシェルターが設置されています。

宮川沿いの闇の中

「ひだ13号」が高山駅に入線した時点で夕方だったので、角川駅付近からほぼ何も見えなくなり、坂上駅付近から外は真っ暗になりました。
坂上駅で上り・美濃太田行きの普通と待ち合わせ。
打保駅では、富山始発としては最終の名古屋行き特急「ひだ20号」の通過待ちをしました。

もう、左右の車窓には、車などのライト、街灯、住宅、途中駅の明かりしか映りません。
「ひだ13号」先頭車両キロ85の灯す前照灯と、それに照らされる線路や各種標識類、信号機類の光が頼り。
今車輪が踏み締めた線路がどんな場所(地上・橋上・トンネル内)なのか、ジョイント音を聴かねば分かりません。

運転士さんはそんな状況の中でも指差喚呼を欠かさず、闇の中でもただ冷静に列車を動かしています。
その後ろ姿に、改めて鉄道事業関係者らへの敬意を表します。

後で調べて見たところ、杉原駅付近には、42,000冊以上のマンガ図書館を有する「飛騨まんが王国」という施設があるそうですね。
少ないとはいえ、泊まれる施設が飛騨古川~猪谷間にも点在しています。

飛越国境にて乗務員交代

特急「ひだ13号」は18時17分、猪谷駅に到着。
岐阜県飛騨市からついに富山県富山市に入り、最初の駅がここです。

江戸時代、猪谷の地には飛騨と越中の関所が存在し、飛越国境の要衝となっていました。
駅周辺には、猪谷名物のハチミツを使った「関所せんべい」の販売や、「猪谷関所館」という施設もあります。
関所の史跡もあるようです。

そして、高山本線においても交通の要衝とは同じこと。
今は無人駅になっていますが、猪谷駅こそJR東海・JR西日本の境界を成す重要な駅。
普通列車は必ず高山方面富山方面折り返し、特急「ひだ」乗務員も交代します。

「ひだ13号」乗車時は夜だったので、翌日9時前後にもう一度訪れたら、ほぼ同じタイミングで普通列車同士が入線して双方の接続が取られました。
休日だったので、乗り換え客もある程度見られましたよ。

旧神岡鉄道を知ってる?

今や持て余し気味な規模のこの駅から、かつては神岡鉄道神岡線が発着していました。
神岡線は猪谷~奥飛騨温泉口間の19.9kmを結び、高原川沿いに単行の気動車が行き来していました。

終点の奥飛騨温泉口駅は、奥飛騨温泉郷および上高地方面への玄関口となっていたようですが、残念ながら2006(平成18)年に廃止

画像:写真AC

現在、旧神岡線廃線跡はレールマウンテンバイク「Gattan Go!!」に活かされており、当時の車両「おくひだ号」も残っているようです。
Googleマップを見た限り、旧奥飛騨温泉口駅舎もきちんと残っています。



神通川沿いに山を降りる

では、キハ85系の夜旅を続けましょう。
特急「ひだ13号」は乗務員交代を終え、18時18分に猪谷駅を発車!

高山本線の猪谷以北はJR西日本区間となります。
並行する宮川は、神岡方面から流れてきた高原川と合流して神通川へと変わりました。
富山方面に向かって右手に並行します。

また、普通列車に関しては猪谷~富山間の全線でキハ120が使用されます。
猪谷方前面が緑色富山方前面が赤色という個性的な塗り分けをしており、車内はセミクロスシートのトイレ付きです。

猪谷駅を発車してもしばらくの間は山間部が続きます。
ところどころトンネルが直線で通されているので、音だけ聴けば東海区間よりは速度を出しているかも。
富山方面に向かって線路は下り勾配になっているので、だんだん標高も下がってきます。

楡原(にれはら)駅付近に集落が形成されているものの、駅を通過したらまた山道へ。
しかし、その山ばかりだった景観はいよいよ終わりを迎えます。

笹津駅が近づくと、神通川橋梁を通過。
神通川ともしばしのお別れですが、これにて長く続いた峡谷を抜けました!

そして「ひだ13号」は笹津駅を通過。
笹津春日温泉が付近にあるらしく、日中は駅前から富山地鉄バスが発着しているようです。

この先は田園風景が続き、きついカーブも少ないので列車は速度を出して快走。
しかし線形の問題なのか、座ってても分かる程度には揺れます。
特急だから良いけど、普通列車で立席の場合は何かに掴まりましょう。

立山連峰を背に越中八尾

次の停車駅の越中八尾駅が近づくと、右手後方に立山連峰の山々を見られるようになります。
特に晴れている日は、そのシルエットが青く際立ちます。

半周近い大カーブで井田川を渡り、18時36分に「ひだ13号」は越中八尾駅に到着。
当駅始発の富山行き普通列車に接続しました。

富山市八尾町は坂の町、かつ「おわら風の盆」で有名。
哀調の唄に合わせ、編笠を深く被った着物の踊り手が流れるように踊り歩く、300年続いているという伝統行事です。
これに合わせて臨時列車が運行することもあります。

ちなみに八尾駅の東側に「北山製麺」という製麺会社があり、直売所でラーメン一食買っときました。

ワイドビューチャイムで終点へ

越中八尾駅を出発し、住宅が点在するだだっ広い田園地帯を引き続き走行します。
カミンズエンジンの重厚な走行音を聞けるのもあと少し。

「ひだ13号」は18時45分に速星駅に到着。
同駅は一部の「ひだ」が停車する駅で、左手に日産化学富山工場が隣接しています。
工場内へ伸びる専用線もあり、貨物列車が運行することも。

「富山イノベーションパーク」最寄りの婦中鵜坂駅を通過すると、まもなく堤防に上がり井田川を横断。

左手前方に呉羽丘陵が近づいたところで、列車は大きく右に曲がり、北陸新幹線あいの風とやま鉄道線と合流。
ワイドビュー特急でおなじみのメロディが流れ、アナウンスが入ります。
高架に上がって神通川を渡り、18時54分、ついに「ひだ13号」は富山駅に到着しました。

高架化された富山駅

富山駅では北陸新幹線開業に合わせた高架化工事が行われ、2015(平成27)年4月に上り線(金沢方面)と高山本線を高架化。
2019(平成31)年3月に下り線(泊・糸魚川方面)も高架に切り替え、高架化が完成しました。
これにより、2020(令和2)年3月、南北で分断されていた南側の富山地方鉄道市内軌道線と、北側の富山ライトレールが高架下で接続を果たしました。

現在、富山ライトレールのLRV(超低床車両)と富山地方鉄道のLRVは、富山駅電停を境に相互直通運転を行っているようです。
私の訪問時、富山ライトレールの車両が地鉄の市内線に発車していくところが見られました。

路面電車の富山駅電停は、新幹線・在来線を降りて直結
鉄道線から軌道線へ、雨に濡れることなくスムーズに乗り換えできます。
路面電車がまちづくりにきちんと活かされていることがうかがえ、一人で勝手に感動してました。

現在は、富山地方鉄道本線の工事が行われているようです。
2022年10月時点では、旧ホームの1・2番線が封鎖され、旧1番線の奥に仮1番線を設定。
3・4番線は従来のホームが引き続き使用されています。

完成はまだ先ですが、将来的には富山地鉄も高架ホームに切り替わり、現在の地上ホームは見られなくなると思われます。

さて、高山駅から富山駅まで、特急「ひだ13号」で約1時間36分
料金は、高山~富山間で乗車券1,690円・特急料金1,200円・グリーン料金1,300円。
計4,190円かかりました。

名古屋駅から乗り通すとしたら、所要時間はなんと4時間6分!
長時間特急列車で過ごすことになりますが、日中なら峡谷や川の絶景を存分に満喫できることは間違いなし!
中京圏から北陸へ抜けられる貴重な一手段でもあります。

【2023/3/18更新】本日のダイヤ改正をもって、すべての特急「ひだ」定期列車が新型ハイブリッド車両HC85系に統一されました。
富山行き「ひだ」自体は存続しているので、名古屋・岐阜エリアから北陸方面へ、引き続き特急を利用できますよ。



富山ひだの本数と停車駅

2022年10月時点で、1日10往復運行している特急「ひだ」のうち、富山駅に発着する列車は以下の通りでした。

下り(富山行き)

  • ひだ3号(名古屋8時43分発・富山12時51分着)
  • ひだ7号(名古屋10時48分発・富山14時47分着)
  • ひだ11号(名古屋12時48分発・富山16時42分着)
  • ひだ13号(名古屋14時48分発・富山18時54分着)

上り(名古屋行き)

  • ひだ6号(富山7時58分発・名古屋12時4分着)
  • ひだ8号(富山9時53分発・名古屋14時4分着)
  • ひだ14号(富山13時2分発・名古屋17時4分着)
  • ひだ20号(富山17時14分発・名古屋21時3分着)

途中停車駅は、岐阜駅、美濃太田駅、下呂駅、高山駅、飛騨古川駅、猪谷駅、越中八尾駅です。
「ひだ7号」「ひだ13号」「ひだ6号」「ひだ14号」は、越中八尾~富山間で速星駅にも停まります。

12月1日から富山にもHC85系

2022年12月1日から2023年3月17日までは、「ひだ3号」「ひだ14号」にもHC85系が導入されていました。
この期間にHC85系で運転されていた定期列車は以下の通り。

下り(高山・富山行き)

  • ひだ1号(名古屋7時43分発・高山10時16分着)
  • ひだ3号(名古屋8時43分発・富山12時51分着)
  • ひだ15号(名古屋16時3分発・高山18時45分着)
  • ひだ17号(名古屋18時12分発・高山20時51分着)

上り(名古屋行き)

  • ひだ2号(高山6時46分発・名古屋9時12分着)
  • ひだ4号(高山8時0分発・名古屋10時34分着)
  • ひだ10号(高山12時34分発・名古屋15時5分着)
  • ひだ14号(富山13時2分発・名古屋17時4分着)

HC85系による「ひだ」は、高山~富山間ではグリーン車が連結されず普通車指定席・自由席のみの2~4両編成になるとのこと。
もちろんHC85系も良い車両ですが、その拡大にともなって既存のキハ85系は活躍の場を失っていきます。
特に、非貫通型先頭車両でのパノラマ前面展望は、キハ85系でないと体感できません。

【2023/3/18更新】京都鉄道博物館にて2023年2~3月に展示されていたキハ85系が、このほど京都丹後鉄道に譲渡されたと各媒体から報じられました。
丹鉄でのデビュー時期は現時点で未定ですが、今度は北近畿でキハ85系に会えるチャンスが巡ってきます。
その時を楽しみに待ちましょう!

普通列車の運行本数は

普通列車の本数についても触れましょう。
まずは高山~飛騨古川間ですが、午前・午後とも上下線でおおむね1~2時間に1本

飛騨古川~猪谷間はさらに本数が減り、2時間前後で1本がやっと。
下り・高山12時1分発(猪谷13時7分着)上り・猪谷11時19分発(高山12時30分着)を逃すと、次は下り・高山16時2分発(猪谷17時5分着)上り・猪谷15時8分発(美濃太田19時8分着)まで古川~猪谷間には普通列車が1本も来ません

下りの猪谷方面最終電車は高山22時52分発ですが、これは坂上止まり(23時28分着)となっています。

西日本区間のうち、越中八尾~富山間では、朝夕は30分~1時間に1本
日中でも1~2時間に1本は普通列車が来ます。

問題は猪谷~八尾間で、こちらは早朝深夜を除き基本的に2時間に1本
しかも、下り・猪谷11時7分発(富山11時55分着)上り・富山10時11分発(猪谷11時0分着)を逃すと、次は上下とも4時間ほど普通を待つことになります。

ちなみに普通列車だけで猪谷駅を跨ぐ場合、そのデッドラインは以下の通り。

下り:高山20時55分発の猪谷行き(21時58分着)に乗車し、猪谷駅で同駅22時12分発の富山行き(23時1分着・猪谷発の最終)に乗り継ぐ。

上り:富山19時50分発の猪谷行き(20時39分着)に乗車し、猪谷駅で同駅20時41分発の高山行き(21時45分着・猪谷発の最終)に乗り継ぐ。
高山駅で同駅21時50分発の美濃太田行き(0時1分着・最終列車)に接続可能。

東海区間・西日本区間とも山間部は本数がかなり減るので、旅行時は十二分に注意しましょう。

さいごに

岐阜駅から区間を分けて紹介してきた高山本線ですが、これにて岐阜~富山間225.8kmの全区間を走破しました!

岐阜市街地とその周辺のベッドタウンからだんだんと山間部に入り、飛水峡中山七里下呂温泉飛騨高山古川町飛越国境八尾町を全て通って富山に到達
横浜市内を出発して3日間は「秋の乗り放題パス」で、特急「ひだ13号」以降は通常のきっぷ・特急券で沿線を巡り、列車を撮影しながら過ごしてきました。
大変だったエリアもありますが、それも含めて乗り鉄し甲斐のあるローカル線でした。

なお、本稿公開時点で2022年の「秋の乗り放題パス」利用期間は終了しましたが、春休み・夏休み・冬休みに発売される「青春18きっぷ」や、飛騨金山~飛騨古川間が3日間乗り放題で特急自由席にも乗れる「飛騨路フリーきっぷ」(GW、お盆、年末年始は利用不可)を使ってみるのも良いではないでしょうか。
沿線の景観や個性を楽しみながら、長い飛騨路をゆっくり楽しんでみてください。

長時間のおつき合いまことにありがとうございました!
今回はここまでです!

ちなみに帰りは北陸新幹線で一気に戻ってきました。

参考

『鉄道手帳 西日本編』 監修:今尾恵介 東京書籍 2009年9月

『日本鉄道旅行地図帳 6号 北信越』 監修:今尾恵介 新潮社 新潮「旅」ムック 2008年10月

『日本鉄道旅行地図帳 7号 東海』 監修:今尾恵介 新潮社 新潮「旅」ムック 2008年11月

『【図説】日本の鉄道 中部ライン全線・全駅・全配線 第6巻加賀温泉―富山エリア』 編著:川島令三 講談社 2010年9月

『JTB小さな時刻表 2022年季刊夏号』 発行:JTBパブリッシング 2022年7月

JR東海公式サイト
車両のご案内 キハ85系
NEW 特急ひだ 在来線新型特急車両HC85系

飛騨市公式観光サイト トップページ
レールマウンテンバイク「Gattan Go!!」 トップページ
越中八尾観光協会 おわら風の盆
富山県公式ホームページ 富山駅付近連続立体交差事業の概要

【2023/3/18日更新】
鉄道チャンネル 2023年3月10日
JR東海のキハ85系特急気動車、京都丹後鉄道で再出発

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