長期休暇に利用でき、全国のJRの普通・快速列車が乗り放題になる、多くの旅行者や鉄道ファンに親しまれているおトクなきっぷといえば、「青春18きっぷ」ですよね。
2024年度も、春休み期間の発売が決定しました!
JRグループは2024年1月23日、2024年春季発売分「青春18きっぷ」について詳細を発表しました。

発売期間は2月21日から3月31日利用期間は3月1日から4月10日までです。
1枚で5回分利用でき、その料金は12,050円
このあたりは例年と変わっていませんね。

【2024/6/18追記】2024年夏季発売分が発表されました!発売期間は7月10日~8月31日、利用可能期間は7月20日~9月10日で、料金は変わりません。

しかし、2024年3月16日に北陸新幹線金沢~敦賀間が延伸し、並行区間のJR北陸本線が第三セクターに移管するため、主に北陸移動時の特例に変更が加わっています。
今回は「青春18きっぷ」のルールや使い方、今回の主な変更点などをじっくりおさらいしましょう。



1回2,410円でどこまでも

青春18きっぷ」とは、JRグループが春休み・夏休み・冬休み期間に発売している、フリーパスタイプのおトクなきっぷの一種。
「青春」と名が付いていますが、年齢制限はナシ誰でも利用可能なきっぷです。
ただし料金は大人・子ども同額で、本稿公開時点では1枚12,050円です。

「青春18きっぷ」では一人1日を1回と数えきっぷ1枚で5回分の枠が用意されています。
1枚につき5回までJR各社の普通列車・快速列車の自由席BRTJR西日本の宮島フェリー(別途、宮島訪問税100円が必要)乗り放題に。
つまり1回2,410円でJR全線どこまでも行くことができちゃいます!
ただし、後述する特例を除いて新幹線・在来線特急に乗れません

利用人数ですが、一人1日を「1回」として扱うため、例えば以下のようなパターンがあります。

  • 一人で5日間使う
  • 5人グループで1日利用
  • 1日目は3人で、2日目は二人で
  • 二人で2日間使用し、残り1回を一人で使う

2人以上のグループで使用する場合は、必ず全員が同行し、改札入出場時に全員揃っている必要があります。
途中で誰かひとりが「この駅のほうが家に近いから俺はここで解散するわ」と言うのはナシです。

「青春18きっぷ」でいう普通列車は、特急券を買わずに乗れる列車のことです。
文字通りの普通列車・各駅停車だけでなく、快速・特別快速・ホリデー快速などなど、特急券が必要ない列車なら乗ってOKです。
例外がありますので、それは後ほど。

このきっぷで乗れる列車の中でおそらく最も速いのが、JR西日本関西エリア新快速
福井県の敦賀駅、滋賀県の米原駅から、大阪駅・神戸駅を通って兵庫県の姫路駅まで、場合によっては岡山県境付近の相生駅・播州赤穂駅まで、乗り換えなしで走り抜けます。

なんと最高時速は約130km/h
京都~大阪間なら約24分
関西を目的地または通過点とする多くの18キッパーの足になっています。

快速列車は、「特別快速きたみ」(石北本線)、「快速リゾートしらかみ」(五能線)、「快速マリンライナー」(瀬戸大橋線)、「快速シーサイドライナー」(大村線)のように、固有の名前がついている列車が該当します。
これらも「青春18きっぷ」で乗ることができます。

画像:写真AC

ただし、普通車指定席に座る場合は指定席券が別途必要となります。
「リゾートしらかみ」や「海里」(羽越本線)などは全車指定席なので、その場合は課金が必須になることを覚えておきましょう。

追加料金で乗れる列車

追加料金が必要だけど「青春18きっぷ」で乗れる座席もあります。
先ほど触れた快速列車の普通車指定席は、指定席券を買えば「青春18きっぷ」で乗れるようになります。
乗りたい快速の指定席の有無は、お手数ですが各自でご確認ください。

次は、グリーン車自由席
主に首都圏の以下の路線に連結されている普通列車グリーン車を指します。

  • 東海道本線(東京~熱海・沼津)・伊東線
  • 宇都宮線(東北本線東京~宇都宮)・高崎線
  • 横須賀線・総武快速線(久里浜~東京~千葉、成田空港、君津、上総一ノ宮)
  • 常磐線(上野~土浦・勝田)

これらも降車駅までのグリーン券を購入すれば「青春18きっぷ」で利用可能になります。
ただ、普通列車グリーン車の料金体系が2024年3月16日から変更になるので、できればSuicaグリーン券用のICカードを用意しておくと良いでしょう。

他に、JR東海で朝夕に運行している「ホームライナー」も、乗車整理券330円(普通車、子ども半額)を払えば乗れます。
車両が特急形なだけ運行形態は特急ではないため「青春18きっぷ」で乗り得かもしれませんね。

普通列車最強格のJR西日本新快速基本的に追加料金なしですが、一部新快速に設定されている「Aシートに着席する場合は座席指定券840円(子ども半額)を別途用意してください。

乗れない列車と座席

乗ることができない列車ですが、まず特例以外の新幹線と在来線特急はそもそもNGです。
普通車もグリーン車もグランクラスも全部ダメです。
これらに乗らないといけない場合は、きっぷと特急券を別途購入してください。

次に使えない事例は、グリーン車指定席です。
瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」で、高松方先頭車両(1号車)の2階席1階最前部のパノラマシートがグリーン車指定席に設定されています。
これらも「青春18きっぷ」では利用不可で、きっぷとグリーン車指定券が必要です。
なお、1階席は普通車指定席なので指定席券への課金で使えます。

画像:写真AC

2024年1月時点では、特急列車以外で瀬戸大橋を渡る列車が「マリンライナー」しかないため、「青春18きっぷ」で本州・四国を渡るなら普通車自由席のほうが安上がりです。
普通車といってもベースは223系なので、転換クロスシートで快適ですよ。



きっぷを提示して押印・通行

「青春18きっぷ」は、発売期間中、各駅の指定席券売機で購入できます。
まずはメニュー画面で「おトクなきっぷ」をタッチ。
次に「フリーパスタイプ」をタッチし、上下にページを操作すると「青春18きっぷ」の名前が出てきます。
他のおトクなきっぷと異なり、利用開始日を指定しません。

したら、現金またはクレジットカードで18きっぷを買いましょう。
「青春18きっぷ」本体と説明書が発券されます。
分かりにくい場合はみどりの窓口または各種旅行会社で発券してもらってください。

こんな感じのきっぷと説明書が発券されます。

「青春18きっぷ」では自動改札機は通れません
窓口で駅員に提示して入出場しましょう。
その日の最初に入場する時は、駅員が「〇回(人)」の欄に押印してくれます。
ワンマン列車の場合も運転士に「青春18きっぷ」を提示してください。

期間内ならいつでも使える、利用日は連続しなくても良い人の手で利用日を記録する、そのため「青春18きっぷ」では利用開始日を指定しないのです。

運転士が精算に対応せず、駅員もいない都市型ワンマンの場合は、素通りしちゃって大丈夫だと思いますが…、念のため、駅を出るまで18きっぷの券面を防犯カメラに映るように持っておくと確実でしょう。

特急に乗れる特例は

先ほど、「特例を除き新幹線と在来線特急は利用できない」ということを解説しました。
その特例では、以下の区間内の相互利用に限り、特急列車の普通車自由席または空いてる指定席に「青春18きっぷ」で乗ることができます。

  • 石勝線:新夕張~新得(2024/3/16からは普通車指定席の空席)
  • 室蘭本線:東室蘭~室蘭(2024/3/16から普通車指定席の空席で適用)
  • 奥羽本線:新青森~青森
  • 佐世保線:早岐~佐世保
  • 宮崎空港線:宮崎~宮崎空港

上記区間内だけで乗降する場合に限り、特別に「青春18きっぷ」だけで特急列車に乗れます!
とくに石勝線の新夕張~新得間は特急列車でしか移動できないため、特例の恩恵が一番強く表れるのではないでしょうか。

ただし、上記の特急に乗ったまま1駅でも特例区間外にはみ出すことは絶対に避けてください。
そうしてしまうと石勝線、室蘭本線、奥羽本線では全乗車区間のきっぷ・特急料金を支払うことになります。
佐世保線と宮崎空港線では、前者は早岐駅、後者は宮崎駅から降車駅までのきっぷ・特急料金が課されます。



一部三セクは通過利用特例あり

JR以外の鉄道会社も基本的には利用できません。

ただし、新幹線並行在来線の第三セクター化によって、離れ小島になってしまったJR線がありますよね?
そのため、以下の第三セクター鉄道の指定区間を通過利用する場合に限り、「青春18きっぷ」で当該路線を利用できます!

2024年3月16日に北陸新幹線が敦賀延伸するのに併せて、在来線の北陸本線の敦賀~大聖寺間(福井県区間)は新会社のハピラインふくい、大聖寺~金沢間(石川県区間)は既存のIRいしかわ鉄道に移管されます。
そのため、2024年3月16日以降の通過利用特例は以下の通りです。

  • 青い森鉄道線:八戸~野辺地~青森
  • あいの風とやま鉄道線:富山~高岡~倶利伽羅
  • IRいしかわ鉄道線:倶利伽羅~津幡
  • ハピラインふくい:敦賀~越前花堂

青い森鉄道は、野辺地駅でJR大湊線に乗り換えできます。
あいの風とやま鉄道は、富山駅でJR高山本線高岡駅でJR氷見線・城端線に乗り換え可能で、倶利伽羅駅からIRいしかわ鉄道に変わり、津幡駅でJR七尾線に乗り換えとなります。
ハピラインふくいは、越前花堂駅でJR九頭竜線(越美北線)に乗り換えです。

JR線内から上記の駅を通過利用する場合に限り、「青春18きっぷ」で当該区間を利用できます。
第三セクター線の始発駅から乗車する、または1駅でも違う駅で降りる全乗車区間の運賃がかかるので注意しましょう。

ハピラインふくいを例に挙げましょう。
JR北陸本線・小浜線で敦賀駅を通過し、越前花堂駅で降りるのはOK
越前花堂駅にはJR九頭竜線が発着するので、それへの乗換えが考慮されています。

一方、敦賀駅で入場して福井駅で降りることはできません
敦賀~福井間の運賃が別で必要となります。
イメージはこんな感じ。

2024年3月15日までは、北陸本線敦賀~金沢間で「青春18きっぷ」を利用可能、IRいしかわ鉄道線の金沢~津幡間、とやま鉄道線の高岡~富山間が通過利用特例の対象区間でした。
北陸新幹線の開業により、18きっぷだけで七尾線に乗る場合は富山駅からのアクセスが必須化します。
遠回りになる上、高山本線を抜けるのも時間がかかるので、急ぐ場合は潔く三セクのきっぷで乗車しましょう。

特例ない三セクは運賃支払い必須

青い森鉄道、ハピライン、IR、とやま鉄道以外の他社線はそもそも「青春18きっぷ」の範囲外になります。
JR線に自社車両(他社線にJR車両)が乗り入れる伊豆急行やしなの鉄道、京都丹後鉄道なども、JR線から外れた瞬間にアウトです。

伊勢鉄道線18きっぷはNGですが、同線は関西本線と紀勢本線に挟まれ、快速「みえ」が通過します。
快速「みえ」で伊勢鉄道線を跨いで乗車する場合、車内でその精算をお願いすると良いでしょう。
河原田~津間で大人520円です。
写真が無かったので別地区の同型車両でご勘弁を…。

0時過ぎ、特定区間かそうでないか

「青春18きっぷ」1回の有効期限は、乗車している列車が0時を過ぎて最初に停車する駅まで
東京・大阪の電車特定区間内はその日の最終電車まで有効です。

0時を過ぎて最初に停車するというのが何なのか、御殿場線国府津23時42分発の山北行き(0時5分着)を例にしてみましょう。
この列車が0時をまわって最初に停まるのは、0時1分の東山北駅です。
この場合、「青春18きっぷ」1回の有効範囲は東山北駅までとなります。

電車特定区間内での「青春18きっぷ」は、0時過ぎ最初の駅だけでなく、その日の最終電車までOK。
東京電車特定区間は、東京駅を中心に、以下の駅を境界にしています。

  • 東海道本線:大船駅
  • 中央線:高尾駅
  • 東北本線:大宮駅
  • 常磐線:取手駅
  • 総武線:千葉駅
  • 京葉線:千葉みなと駅

範囲外に見えそうな久里浜駅(横須賀線)青梅線・五日市線全線OKです!
逆に、一見大丈夫そうな蘇我駅(京葉線)は、あと一駅のところで特定区間から外れるのでご注意ください。
八高線・川越線も特定区間外です。

大阪電車特定区間は、大阪駅を中心に、以下の駅が境界線になります。

  • JR京都線(東海道本線):京都駅
  • JR神戸線(山陽本線):西明石駅
  • 学研都市線(片町線):長尾駅
  • 大和路線(関西本線):奈良駅
  • 阪和線:和歌山駅

阪和線は東羽衣支線も特定区間に入ります。
嵯峨野線(山陰本線)、奈良線、JR宝塚線(福知山線)、和歌山線、万葉まほろば線(桜井線)は特定区間外です。
兵庫駅からの和田岬線は、そもそも深夜帯に電車がありません。

東京・大阪周辺の電車特定区間内なら、0時をまわっても終電まで「青春18きっぷ」1回分が有効です。
紙の時刻表にも乗っているので、旅行の際に買っておくと重宝しますよ。



青函トンネル通行にオプション券を

本州・四国、本州・九州は在来線で渡れますが、大問題なのが北海道
北海道新幹線開業以降、一般乗客が青函トンネルを通過するには新幹線に乗るしかないのです。
しかし、本来「青春18きっぷ」では新幹線には一切乗れない、さてどうしましょ…。

そんな状況を最小限のコストで抑えられる、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」が、本家「青春18きっぷ」と同じ時期、同じ期間で発売・利用可能になっています!
大人・子ども同額で2,490円です。

「青春18きっぷ」利用者のみオプション券を使用できます。
これを使うと、北海道新幹線奥津軽いまべつ~木古内間と、道南いさりび鉄道木古内~五稜郭間を、片道1回だけ利用可能になります。
北海道新幹線では普通車の立席(空席があればそれも)を利用しましょう。

ただし、オプション券の有効期限は1日だけ
その日のうちに奥津軽~五稜郭間を抜けなければなりません。
木古内駅・五稜郭駅以外の途中駅で降りると全区間の運賃を支払うことになります。

画像:写真AC

「奥津軽いまべつってどこや?」JR東日本・津軽線津軽二股駅との乗換駅です。
しかし同駅を含む、津軽線蟹田~三厩間は2024年1月時点でバス代行を行っています。
代行バス、「わんタク」定時便の2種類がありますが、両方合わせて1日6往復しかないので、ここは特に鬼門となりそうです。
18きっぷで青函トンネルを縦断する場合は念入りにプランを練っておきましょう。

横浜駅から1日で行ける限界

最後に例えばの話、「青春18きっぷ」でひたすら西に進んだ場合、1日でどのくらいまで進めるのでしょうか?
起点は横浜駅東海道本線・山陽本線のみ乗車、全ての列車が時間通り接続も全て成功、というのを前提に考えます。
すると1日で新山口駅まで行けてしまいます!(2023年秋の時刻表より)

まず米原駅までの行程はこんな感じ。

  1. 横浜4時54分発⇒東海道本線普通・熱海行き⇒熱海6時16分着
  2. 熱海6時18分発⇒島田行き(休日は沼津止まり)⇒沼津6時37分着
  3. 沼津6時42分発(休日は52分発)⇒浜松行き⇒浜松9時1分着
  4. 浜松9時10分発⇒豊橋行き⇒豊橋9時45分着
  5. 豊橋9時50分発⇒新快速・大垣行き(休日は特別快速)⇒大垣11時18分着
  6. 大垣11時42分発⇒米原行き⇒米原12時17分着

丹那トンネルを越える列車があまり多くないので、とりあえず沼津駅まで頑張りましょう。
平日なら「ホームライナー静岡1号」(沼津6時54分発・静岡7時37分着)が出るので、整理券代を払って朝ごはんというのも一手。
「ホームライナー静岡1号」は富士駅で先行の浜松行き普通列車を追い越すため、追い抜いた普通に静岡駅で乗り、浜松駅まで難なく移動できます。
しかし休日は「ホームライナー」運休です…。

第二の難関(主観)は大垣~米原間。
本数が減るだけでなく、東海道本線の中で最も雪の影響が懸念されます。
始発の横浜駅から最も早く乗れる米原行きは11時42分発ですが、これには、浜松9時23分発の豊橋行きから快速・新快速に乗り継いで11時32分着で間に合います。
食事やトイレが心配な時の保険になるんじゃないかな。

それでは米原以西に続きます。

  1. 米原12時50分発⇒東海道山陽本線新快速・姫路行き⇒姫路15時18分着
  2. 姫路15時34分発⇒山陽赤穂線・播州赤穂行き⇒相生15時24分着
  3. 相生15時25分発⇒山陽本線・糸崎行き⇒糸崎18時47分着
  4. 糸崎19時6分発⇒岩国行き(休日は広島止まり)⇒広島20時27分着
  5. 広島20時50分発(休日43分発)⇒徳山行き⇒徳山23時2分着
  6. 徳山23時20分発⇒新山口行き⇒新山口0時5分着

米原駅まで出れたら、姫路駅までは新快速に乗っちゃうのが一番!
米原~姫路間は198.4kmもあるのに、約2時間半で走破するのは冗談抜きで速いです。

ただし、姫路以西は普通列車行脚になるので覚悟しておきましょう。
この通りに乗り継ぎできれば17時8分に岡山駅に到着するので、「マリンライナー」で四国上陸もその日のうち。

限界まで乗りつぶせば新山口駅まで辿り着けますが、岩国駅の時点で山口県内に入っているので、無理せずに広島~岩国間のどこかで宿泊予約を取っても良いと思います。
それでも横浜市内から広島市内までの運賃が通常よりどれだけ安いかは、もう言うまでもありませんね?

全てが時刻表通りに行くのが理想的ですが、実際にはどこかの駅・区間でのトラブル発生により、遅延・運休が発生する可能性があります。
移動距離が長ければ長いほど巻き込まれる可能性も上がります。
キツい行程はここぞという時のみに留め、トラブルが起きてもリカバリーの効く乗り継ぎや目的地設定を心がければ、楽しく「青春18きっぷ」を利用できるのではないでしょうか。
いざという時の特急・新幹線利用も考えて、予算を少し多めに持っておくのもおすすめします。



青春18きっぷの払い戻しは

最後に、買ったけど使わなくなった「青春18きっぷ」の払い戻しについても触れておきましょう。
「青春18きっぷ」の払い戻しは、一度も確認印が捺されていない未使用に限り、利用期間内のみ払い戻し可能です。
お近くのみどりの窓口か、購入元の旅行会社に相談してみてください。

その時にきっぷ本体と説明書が全て回収されます。
きっぷを使い終わるか払い戻すまで説明書は捨てずに残しておきましょう。

現金で購入した場合は、手数料220円を引いた額の払い戻し。
クレジットカードで購入した場合は、先に手数料220円を支払った上で、後日12,050円が口座に戻るようになっています。
それで実質的に手数料を差し引いた額になります。
一回でも押印された18きっぷは払い戻し対象外です。

私、2024年冬期の「青春18きっぷ」はデビットカードで購入し、北陸本線に行く予定でしたが、能登半島地震でキャンセルせざるを得ませんでした。
まだ一度も使っていなかったので泣く泣く払い戻すことに…。
デビットカード購入の18きっぷの払い戻しは、1週間経たないうちに口座に反映されていました。

このように、「青春18きっぷ」を前々から準備したけど旅行直前で思わぬアクシデントに見舞われ、予定が狂って修正不可能になった場合の保険として、払い戻し条件も覚えておくと良いでしょう。

2024年分はその都度発表

【2024/6/18追記】

最後の最後にもう一つ、2024年発売分の発表方法についてです。
例年なら、前年度の冬あたりに次年度の「青春18きっぷ」の発表があるはずですが、2024年度分はその都度発表となっています。

この理由について、鉄道コムがJR東日本・JR西日本に問い合わせをし、同サイトの1月25日のコラムにて掲載されています。

その青春18きっぷは、これまでは前年度の冬に春用、夏用、冬用の内容がまとめて発表されていました。しかし、23日に発表された分は、3月~4月に利用可能となる春用のみ。残りの分はどうしたのでしょうか。

JR東日本の広報担当に聞いてみると、今回は3月16日の北陸新幹線金沢~敦賀間延伸開業などにあわせた「おトクなきっぷ」の変更があったことから、春用のみを発表したということ。また、普段は2月ごろに翌年度の分が発表されていますが、今回は調整の関係で、例年よりも早めの発表になったと説明しました。夏・秋用については、「その都度決まり次第発表する」としています。

JR西日本の広報担当にも質問したところ、こちらも「夏・秋は決まり次第発表する」という説明です。さらに突っ込んで、「北陸新幹線の延伸開業で廃止になるのでは?」とも質問しましたが、「その予定はない」ということでした。

鉄道コム 2024年1月25日 あれっ、夏と冬の分はないの!? 2024年分の「青春18きっぷ」、発売内容が「春用のみ」発表の理由は

このため、2024年分は春期分のみ先に発表され、遅れて6月18日に夏季分が発表されたのでしょう。
おそらく冬季分もこうなると思われます。

しかし今回、6月後半までなかなか発表がなかったことで一部ユーザーから心配する声があったらしく、それに便乗した「サイレント廃止」などと煽り散らかす悪質な記事も出回りました。
引用の通り、大手メディアがJR公式に取材して回答をもらった記事があるのですから、もう少しJRを信用しても良いのではないでしょうか。

一個人記事である私が言えた義理じゃないけどね。
何はともあれ無事に夏も発売するようで良かった!

さいごに

今回は、「青春18きっぷ」の基本ルールや使い方、買い方、特例などを詳しく見てきました。
2024年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸をもって、北陸第三セクターの通過利用特例に変更が加わります。

5回1セットでお値段12,050円。
JR全線の普通列車が5回分乗り放題!
と、平たく言えばお得すぎるきっぷ(実際オトク)ですが、これを使いこなすためには、「青春18きっぷ」ができることできないことをきちんと理解することが重要です。
そして、普通列車だけでカバーしきれない場所で特急・新幹線を使う予算と潔さも時には必要です。

しっかり理解して正しく扱うことができれば、「青春18きっぷ」は鉄道旅の心強い味方になるでしょう。
26歳(2022年1月)で初めて使った私にとっても超便利です!
長期休暇時期が近づいたら気にかけてみてはいかがでしょうか。

めっちゃ長くなったけど今回はこれで終わり!
ありがとうございました!

参考

『JTB小さな時刻表 2023年季刊秋号』 発行:JTBパブリッシング 2023年10月

JR東日本公式サイト ニュースリリース
2024年1月23日(PDF) 「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売および北陸新幹線開業に伴うおトクなきっぷの取扱いについて
【2024/6/18追記分】
2024年6月18日(PDF) 「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売について

JR東海公式サイト お得なきっぷ
青春18きっぷ
青春18きっぷ北海道新幹線オプション券

外ヶ浜町公式ホームページ
JR津軽線蟹田駅~三厩駅間代行バスにおける運行ダイヤ等の変更について