Nゲージを楽しむ中で、「鉄道コレクション」の付属パーツの取り付け方法は以前に当ブログで実演しましたが、まだ肝心のお話をしておりませんでした。
そう、鉄コレを走らせたい

そのままだとディスプレイモデルな「鉄道コレクション」は、専用の動力ユニットによってNゲージ鉄道模型として楽しめるようになります。
今回は「鉄道コレクション第8弾」叡山電鉄デオ300形を例に、鉄道コレクションに動力ユニットを取り付ける方法を紹介します。
本稿は、鉄コレ純正動力一般型車両を動力化します。



16m級ながら叡山最長の小型車

今回の実演車両は、叡山電車で活躍したデオ300形です!
通販で中古品が見つかり、買っておきました。
パンタグラフはグリーンマックスの「PT43N」に換装済みです(本来は「PT42」が最適)。

簡単にご紹介しますと、京阪電車との乗り入れも考慮に入れた上で1959年に登場しました。
車体は約16mとまぁまぁ小型ですが、これでも叡山電車最長だったらしいです。
さすがに現存はしていません。

車体を外して床下機器を移植

それでは始めましょう!
まずは車体と元々の床板を外すところから。

以前アンテナパーツを取り付けた時と同じように、車体裏面のツメを床下から外し、分離させます。
無理に車体を拡げず、ゆっくり丁寧に扱いましょう。

動力ユニットに床下機器を移し替え

今回使用する動力ユニットは「TM-10R(16m級A)」です。

中身は左上から、動力ユニット本体、カプラー、床下スペーサー、そして一番右の台車枠です。

元々の床下から床下機器を取り外し、動力ユニットに移植します。

さっき車体を外した床板、よく見るとグレーの爪が差さってますよね?
写真の面からつまようじやピンセットで押してやって、床下機器を外します。

外した機器は、動力ユニットの取り付け穴に差し込みましょう。

これでOK!
ゆるいと思った場合は、少量のゴム系接着剤で補強してやるとしっかり固定できます。



床下スペーサーの取り付け・加工

次に、床下スペーサーを取り付けましょう。
これは車体と動力ユニットの隙間を埋め、なおかつ連結器(カプラー)の取り付けを可能にしてくれるパーツです。
基本的にはS・M・Lの3種類が入ってます。

ところがどっこい、デオ300形ではどのスペーサーが適切なのか箱に書いてありませんでした。
スペーサーMがピッタリ合ったので、これを取り付けます。

なお、床下スペーサーはだいたいガッチリ嵌るので、取り外す場合は差し込み突起が折れないように注意しましょう。

高さが合わない時は

後でわかったのですが、この車両、スペーサーを取り付けてそれで終わりにすると車体が微妙に高くなってしまっていました。

その原因が下の写真です。
一段奥まっていた前面貫通扉がスペーサーと干渉していたのです。
元々の床板にはそれを防ぐ切り欠きがありました。

なので、動力ユニットにも切り欠きを設けます。
スペーサーの取り付け穴の外側を沿うようにスペーサーを削ってください。
見づらいですが、ダミーカプラーの内側が見えればOK!

これで車体が高くならずきちんとはまります!
最後までやってみて何か違和感を感じた時は、スペーサーと貫通扉の干渉をひとつ疑ってみても良いでしょう。



台車枠を動力台車に取り付け

台車レリーフを台枠に取り付けましょう。
鉄コレの動力ユニットには必ず台車レリーフが付属しており、それを取り付けてNゲージ化させます。
最近では鉄コレ製品に専用品が付属することも多いです。

デオ300形の場合、元々のこの台車に当てはまるものが…。

……ない!!

本来この車両に適合する台車枠は「KU45」です。
リニューアル前の動力(TM-10)には付属してましたが、リニューアル時に同梱する台車レリーフが減らされてしまい、手に入りません。

※中古の「TM-10」が手に入ったので今はそこから「KU45」を使いました

そこで、他の車両を動力化した時に余った「TS-804」を使います!
実車では京王電鉄旧5000系列に使われていたそうです。

実物の京王とえいでんは線路幅が違います(前者:1372mm、後者:1435mm)が、模型の世界なので多めに見てください。
ニッパーなどでランナーから切り離し、カッターやデザインナイフでゲート痕を切り取ります。

ニッパーだけでは小さな突起を残してしまうことが多いので、この段階で綺麗にすること。
他パーツとの噛み合わせ完成後の見た目にも関わりますからね。

整え終わった4つの台車枠をそれぞれ動力台車に取り付けて、ここはクリア!

取り付けがゆるかったらゴム系接着剤で裏から補強しておきましょう。
緩い台車レリーフを固定しないでいると勝手に外れる可能性もあります。



連結器(カプラー)をはめよう

ここまでできたらあと少し!
動力ユニットの両端にカプラーを取り付けます。
今回は元々のダミーカプラーを動力ユニットに移植します。

まずは元の床下からダミーカプラーを取り外します。
裏からつまようじで慎重に!

動力ユニットの、取り付けた床下スペーサーの穴に差し込みます。

あとは、車体を動力ユニットにかぶせれば・・・

ハイ完成!!
これで、動力のなかった鉄道コレクションがれっきとしたNゲージとしてレールを走りますよ!

アーノルドカプラーを取り付ける時は…

連結が必要な車両はアーノルドカプラーの取り付けが必要になります。
動力ユニット(動力化しない場合、Nゲージ化パーツセット)に付属のものを使用し、動力台車に、上から下にスライドさせる要領で取り付けましょう。

これで、他の車両と連結して走ることができます!

先頭車両が動力車両の場合、取り付けできればボディマウントTNカプラーへの交換をおすすめします。
動力付き先頭車両をTN化した例はコアレス動力の記事で解説しています。
小型車両だとボディマウントは難しいので、台車マウントKATOカプラーもご検討ください。



さいごに

今回は、鉄道コレクションに動力を組み込み、Nゲージ化させる方法を紹介しました。
ざっくりまとめるとこんな感じ!

  • 動力ユニットに元々の床下の床下機器を移植
  • 床下スペーサーを取り付け
  • 動力化台車枠を取り付け
  • 元々の床下からダミーカプラーを移植(他車と連結させる場合はアーノルドカプラーを用意)

順番は変わっても大丈夫ですが、これらの4ステップを忘れずに!

鉄コレの一般型車両は12m級から21m級まで非常に多く製品化されています。
路面電車や2軸車両も含めると相当なバリエーションを誇ります。
そのため、16m級までの小型車両は鉄コレ純正動力(絶版品も含む)でないと基本的に動力化できません。

逆に17m級以上の車両は純正かGMコアレス動力か選べるので、比較的簡単に鉄コレを走行させたい場合は純正動力を使ってみてください。
工作派はコアレス動力化をぜひ!
下のリンクからぜひご覧ください。

今回はここまで!
ありがとうございました!