2019年10月31日、ついに東京都内である電車が最期を迎えました。
そう、上野動物園モノレール(上野懸垂線)がこの日をもって運行休止になったのです。
その運行最終日には、わたしも別の取材をした後に急遽駆けつけ、撮影しておりました。
たった0,3kmと非常に短いながらも広く愛されたこのモノレールを、今回は追ってみましょう。
日本で最初のモノレール
上野動物園モノレール(上野懸垂線)、なんと日本で最初に開業したモノレールです!
将来の交通機関としての実証実験として、1957(昭和32)年12月17日に登場しました。
上野動物園の東園駅~西園駅間のわずか0,3kmを行き来するのみですが、これでも鉄道事業法に基づいて建設された立派な鉄道なんですよ。
その走行方式は懸垂式、すなわちレールにぶら下がって走行する方法です。
が、これがまた他のモノレールとは違っていましてね…。
分かりますでしょうか?
一般的な懸垂式モノレールは車体を支える台車が完全にレールの中に格納されているのに対し、上野動物園モノレールの場合は車体を支えるのが特徴です。
青いレールの上部を、ゴムタイヤが転がることで走っているんですね。
最後まで走った40形車両
開業から62年も経ってるわけで、これまでに車両の世代交代が行われてきました。
このラストランを全うしたのは4代目の「40形」という車両です。
40形は2001(平成13)年に登場し、たくさんの動物が描かれているカラフルでにぎやかな見た目をしています。
写真を持ってなくてすみませんが、車内では椅子がカラフルで、子どもたちの人気を呼びそうな色づかいをしています。
2001年というとわたしはまだ小学生ですらなかったので、過去の車両の記憶はほぼありません…。
40形はわたしにとっても「上野動物園といったらコレ!」って感じのモノレールでした。
短くても最後の乗車
こんなに個性的な車両、乗らずに帰れるか!
わたしも当然乗りました!
西園駅から東園駅まで、一回乗車することに。
当日の混雑状況の関係で、前からの展望は取れませんでした。
進行方向右側の車窓をお届けします。
西駅を出発すると結構良い加速力で速度を上げます。
眼下に不忍池や、カメラを構えるお客さんらを臨み、歩道橋(いそっぷ橋)が上がってきたら大きく左にカーブ。
カーブしながら動物園通りをオーバークロス。
ちなみにこれは一般道路です。
このように動物園外の道路を跨ぐところが「鉄道」たる所以なのでしょうね。
順路に迫り、壁が近づいてくると動物たちの可愛い壁画がありました!
結構きわっきわを通るので写真には上手く取れませんでしたが…。
動物たちの壁画を通り過ぎたら右にカーブし、まもなく東園駅に到着です。
ほんとに短い乗車時間だけど、乗ってみると結構真面目な鉄道なんですよコレ。
仕事の方もやらなきゃだし、何より混みまくってたし(笑)、
ぼくはこれで満足したぜ!
11月24日までは静態保存
設備等の老朽化により休止が発表されるも多くの利用者を乗せてきたこのモノレールは、見事役目を全うし10月31日で運行終了、翌11月1日より休止となりました。
東京都交通局ホームページによると、モノレールに代わる東西の移動手段としては電気自動車などを無料運行するとのこと。
モノレールの更新に関しては東京都交通局側もすでに検討を重ねているようですが、ここにしかない特殊な車両のため、新型車両の製造には時間がかかり、その他設備にも大規模な更新が必要とのこと。
そして、今後の方策については都民の意見も交えて検討していくとのことです。
完全に廃止になるわけではないものの、現段階では何とも言えない状態ですね。
ただ、動物園側もさらなる魅力向上に向けて取り組んでいくということなので、モノレールあるなしに関係なくこれからに期待!
ありがとう、40形モノレール!
上野動物園モノレール(上野懸垂線)最終日の様子と簡単な乗車レポートをお届けいたしました。
当日配布されたノベルティを最後にこの記事を締めましょう。
子どもの頃に友達と家族とで遊びに行ってこのモノレールに乗ったのをちょっぴり思い出してました。
なんだかしみじみ感じます。
ありがとう、上野動物園モノレール。
お読みいただきありがとうございました。