2022年は鉄道開業150年

1872(明治5)年に日本初の鉄道が新橋~横浜間で運行開始してから150年の節目ということで、各地のJRグループ総出で様々なキャンペーンが展開されています。
創業110周年を迎えた西武鉄道も、鉄道開業150年に合わせてイベントを開催してますよね。

そんな中、千葉県のJR内房線・蘇我~姉ケ崎間も、今年3月28日をもって開業110周年を迎えました。
これを記念し、JR東日本は2022年6月11日、DE10形ディーゼル機関車12系客車を牽引する団体臨時列車「房総西線客車列車の旅」を運行しました。

DE10形・12系客車の内房線への乗り入れは14年ぶり!
私ケンヤは、これを保田駅近辺と湊川橋梁で撮影しました。
せっかくの機会ですので、今回はこの記念企画の概要と、沿線から観察した限りの所感を記録に残したいと思います。

注:ケンヤは「房総西線客車列車の旅」に乗っていません。同列車に参加したレポートが見たい場合、申し訳ありませんが他の方をあたってください



客車列車乗車と撮影会

団体臨時列車「房総西線客車列車の旅」は、下りコース・上りコースの2種類で、それぞれDE10形ディーゼル機関車12系客車を牽引の上、千葉~館山間を走行しました。

下りコースは、千葉駅から館山駅まで12系客車に乗車。
館山駅到着後はそのまま同駅電留線に入線し、約1時間の撮影会に。
撮影会終了後に解散、自由散策の後、特急「新宿さざなみ4号」で千葉駅に戻るコースです。

上りコースは、最初に千葉駅から館山駅まで「新宿さざなみ1号」に乗車。
下りコース解散後に電留線撮影会に参加し、その後12系客車に乗車して千葉駅に帰ってくるコースとなりました。
上りコースのDE10形前面には記念ヘッドマークも掲出されましたよ!

※撮影時に雨だったのと、望遠で撮ったものを拡大してるので画像が粗いです

いずれも12系乗車中にご当地弁当が用意され、下りコースは「あさりめし」、上りコースは「バーベキュー弁当」が用意されると、リリースに掲載されていました。

2コースともスタンダードプランプレミアムプランがあり、スタンダードコースは大人23,000円・子ども20,000円
プレミアムプランは大人のみで、33,000円でした。
申込みは、JR東日本びゅうツーリズム&セールス「日本の旅、鉄道の旅」ホームページからの申込み限定だったといいます。

両プラン共通で、オリジナルの台紙付き記念乗車証セットをプレゼント。
さらに、スタンダードプランでは12系客車のボックスシートを2人で使用し、プレミアムプランでは1人で利用するプランだったそうですね。

さらにさらに、プレミアムプランのみの特典として、DE10形の始動キーのレプリカがプレゼントされたとか。
レプリカとはいえ、これはマニア垂涎の一品かもしれませんね。

保田駅付近で撮影失敗、参加者数は…

さて、ここからは現地で観察した上での話。

下りの「房総西線客車列車の旅」は10時8分に千葉駅を発車し、12時17分に館山駅に到着する行程です。
当日の私は、東京湾フェリーで金谷港に上陸した後、普通列車で保田駅を通りました。

朝8時20~25分の時点で、鋸山トンネル付近の定番撮影ポイントで三脚を構えていたファンを10人前後、車窓越しに確認できました。
その後、同駅で三脚を持った撮影者が降りていく様子も二度ほど見たので、「房総西線客車列車の旅」通過直前の撮影者数がどれほどになっていたかは言うまでもないでしょう。

そして、DE10形・12系客車は11時40分頃に保田駅近辺を通過。
前面が短い側が先頭に立っていましたよ。

私は、密を避けるため、別の駅に移動しようとした矢先に電車を逃す痛恨のミスをやらかしてしまい、止むなく住宅地の踏切から撮ったけど個人的には大失敗でした…。

とりあえず、DE10形が短いボンネットを先頭にして内房線君津以南に乗り入れたことが分かれば十分です。

募集人員が本来の着席定員の半分以下に絞られていたため、一見するとあまり人が乗っていないように見えましたが、本来の定員の半分以下だと思えば十分な人数の参加者がいたんじゃないかなと。
ゆったり座って過ごしている人もいたし、動画で車窓を撮ってる人も一瞬目に留まりましたよ。

後で確認したところ、DE10形・12系客車とも高崎支社の車両が使用されていました。
車番はそれぞれ、DE10形が「DE10 1074」、12系が「スハフ12 162」「オハ12 366」「オハ12 367」「オハ12 369」「スハフ12 161」でした。
そして保田駅付近通過後、「房総西線客車列車の旅」は12時17分ごろに館山駅に到着したと思われます。

小雨の降る湊川橋梁へ

今度は上りコースの「房総西線客車列車の旅」の番!
上りのDE10形・12系客車は17時38分に館山駅を出発し、19時57分に千葉駅に到着する行程でした。

先に、下りコースで12系客車を満喫し終えた参加者が乗ったと思われる「新宿さざなみ4号」(館山16時2分発・千葉17時22分着)を見送ってから、DE10形・12系客車が千葉方面に折り返してくるのを待ちます。

私は、上りコースの撮影は、上総湊駅南方の湊川橋梁で行いました。
内房線の電車が港の間近を横断する、君津以南の定番撮影スポット!

私が湊川橋梁に着いた時には、すでに多くの鉄道ファンが準備していました。
下りの鋸山トンネル付近ほどではないと思いますが、相当の数のファンが客車列車を待っていた様子でしたよ。

18時23分頃に「房総西線客車列車の旅」が湊川橋梁を通過!
おそらく、上総湊18時10分発の安房鴨川行きと竹岡駅ですれ違ったと思われます。
今度は長いほうのボンネットが先頭になり、記念ヘッドマーク「急行 うち房」も掲出されていました!

待っている間に小雨に降られてしまいましたが、ヘッドマークを掲げた赤いディーゼル機関車青い客車コントラストが、背景の山々に見事に映え、その風格は堂々たるもの
上りコースも、本来の着席定員の半分以下としては十分な人数の参加者が遠目で見られました。

立ち位置と構図の関係で、先頭から最後部まで入らなかったことはご容赦ください。
私が見た限りでは、誰も危険やマナー違反を冒すことなく列車の通過を見送りました、念のため。

この後、君津18時58分始発・千葉行き各駅停車で木更津駅を通りかかった時、なんと先行していた「房総西線客車列車の旅」を追い抜きました!

私の乗っていた各駅停車が19時43分に千葉駅に先着し、それに遅れること19時57分「房総西線客車列車の旅」も定刻通りに千葉駅6番線に到着しました。

到着するや否や、参加者らの記念撮影はもとより、たまたま駅に居合わせた人、ホームで待ち構えていたファンらで一時6番線付近は混雑に。
DE10形の近くに規制線が張られ、駅員の注意喚起のアナウンスもありましたが、大きな問題は発生せずに無事にDE10形と12系客車は回送されたと思われます。



「新宿さざなみ」に波動編成

「房総西線客車列車の旅」下り・上り両コースの輸送のためか、6月11日の特急「新宿さざなみ」にはちょっとした変化がありました。

通常、「新宿さざなみ」には5両編成E257系500番台(Boso View Express)が使用されますが、団体臨時参加者の乗る「新宿さざなみ1号・4号」に限り、9両編成・波動用E257系5000番台が使用されました。

同車は、元々「あずさ」「かいじ」で運行していたE257系0番台臨時列車向けに改造したもの。
内装は中央本線時代とあまり変わっていませんが、外観はブラックアウトした窓周り緑色のラインをあしらったデザインに変更されています。

内房線内では、安房鴨川方先頭車が貫通型、千葉方先頭車が非貫通型の前面となっていました。

あくまでも私の予想です。
当日の当該列車には、通常の「新宿さざなみ」利用者に加えて「房総西線客車列車の旅」参加者にも指定席が割り振られたはず。
一般利用者の席数をキープしつつ、臨時列車参加者分の座席も手配する必要があったため、5両ではなく9両編成のE257系が使用されたものと思います。

さいごに

今回は、内房線蘇我~姉ケ崎間開業110周年記念「房総西線客車列車の旅」を撮影してきました。

内房線は、1912(明治45)年3月28日、「木更津線」という名称で蘇我~姉ケ崎間が開業したことに始まりました。
同年(大正元年)8月21日に名前の通り木更津駅まで延伸しました。
詳細な沿革は割愛しますが、現在の安房鴨川駅まで延伸したのは1925(大正14)年のことでした。

その開業初期の区間の110周年を記念して、高崎支社からやってきたDE10形ディーゼル機関車が12系客車を牽引し、千葉~館山間を1往復!
私は沿線に撮影しに来ただけの立場でしたが、それでも心躍る良いものを見ることができました。

新型コロナウイルス感染症対策のためか、発売数も本来の定員の半分以下に設定されていたものの、参加者らが思い思いに乗車時間を楽しんでいるのも、一瞬でしたが列車の外から見逃しませんでしたよ。
この手の団体臨時列車には、お金の余裕があれば、時間を作ってぜひ私も乗ってみたいものです。

今回はここまで!
ありがとうございました!

参考

『日本鉄道旅行地図帳 3号 関東1』監修:今尾恵介 新潮社・新潮「旅」ムック 2008年

JR東日本公式サイト 2022年5月13日ニュースリリース
内房線 蘇我~姉ケ崎駅間 開業110周年記念 あの時代をもう一度 房総西線客車列車の旅
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