クリスマスムードで街がにぎわう12月24日に、関東の鉄道にも新時代が到来!
2023年12月24日、JR東日本の鶴見線にて、新型車両であるE131系1000番台が運行開始しました!
房総ローカル線区、相模線や日光線・宇都宮線へと導入されたE131系が鶴見線にも進出。
長らく205系が活躍してきた環境もまもなく終わりを迎えつつあります。
ところが、鶴見線のE131系は他線区の車両と比べて見た目に大きな違いがあり、だいぶユニークなグループではないかと思われます。
運行初日にさっそく私も見てきたので、写真を交えながら鶴見線E131系1000番台をご紹介しましょう。
もくじ
4番目のE131系
E131系は、2021(令和3)年3月より運行しているローカル線区向けの最新車両です。
最初は内房線木更津~外房線上総一ノ宮間と成田・鹿島線に導入し、同年11月からは相模線、翌年3月からは日光線と宇都宮線(東北本線)でも導入されました。
房総エリアでは209系の一部を置き換え、相模線と宇都宮エリアでは既存の205系を全て置き換えました。
鶴見線に導入された1000番台は、房総・相模線・宇都宮と続く4番目の導入になりました。
ブラックフェイスな前面の窓下には、鶴見線の歴代カラーを取り入れた茶色(1959~1996年)と黄色(1979年~)のドットがあしらわれています。
側面のラインカラーも、鶴見線の黄色と海をイメージしたスカイブルーのツートンカラーになっています。
既存の205系1100番台が黄色・白・スカイブルーの3色構成なのに対し、こちらは黄色・スカイブルーの2色構成なのがちょっとした違いですね。
編成は2M1Tの3両編成で、扇町・大川・海芝浦方から順に、1号車「クモハE131-1000」2号車「モハE131-1000」3号車「クハE130-1000」となっています。
205系は鶴見方にクモハがあるので、意外にもクモハ・クハの位置が逆になりました。
最新基準の車内とストレート車体
他のE131系と異なり、最大の特徴ともいえるポイントとして、1000番台はストレート車体です。
E217系以降のJRの通勤・近郊形車両は、腰部に丸みを持たせて車体幅を広げた拡幅車体が主流です。
しかし鶴見線では、国道駅や浅野駅(海芝浦支線ホーム)などに急カーブがあり、設備によって車体寸法に制限があるため、近年のJRでは珍しいストレート車体になったそうな。
他のE131系の車体幅は2,950mmなのに対し、この1000番台は2,778mm。
実は205系(2,800mm)よりも幅狭なんですね。
その他にも、上から下までフルフラットになった側面や、両端に取り付けられた乗降確認カメラは1000番台でも健在。
フルフラットな側面は、総合車両製作所「sustina」ブランド車両の分かりやすい特徴です。
車幅が狭いとはいえ、E131系1000番台の車内は他の個体とほぼ共通しています。
ロングシートの背もたれは黄色、座面が青のモケットで、一人あたりの幅は460mm取られています。
205系のロングシートが一人あたり約435mmらしいので、実はちょっとだけ席が幅広になりました。
ドア上のディスプレイは、17インチの画面が1基ずつ千鳥配置で、左右各2基。
優先席・フリースペースは濃淡ピンク色の内装で色分けされてます。
そして、客室内は防犯カメラ完備、非常通報装置も増備されました。
ただし鶴見線は短い路線であるため、トイレはついていません。
クリスマスイブにデビュー
来たる12月24日、鶴見駅で出発式が行われた上で、鶴見10時30分発の扇町行きよりE131系1000番台が運行を開始したとのこと。
朝方は205系を使用した運用でしたが、このために車両交換を行い、以降はE131系が引き継いでいました。
私は混雑を避けたいので昼過ぎに鶴見駅に来ましたが、依然多くの鉄道ファンが鶴見線ホームで待ち構えていた様子。
E131系が入線していない時でも、だんだん見られなくなる205系を「今のうち」と言わんばかりにカメラに収めているようでした。
初日に走行したE131系はもちろん、トップナンバー編成であるT1編成。
主に浜川崎・扇町方面を行き来していました。
相変わらず2駅手前の浜川崎駅で折り返す列車が多いので、比較的昭和駅・扇町駅に入線する列車は少ないです。
基本的にはホーム上で撮影する人のほうが体感多かったですが、一部駅前・駅間の踏切からも撮影者を見かけました。
そして、行き先表示の文字の色にも注目!
205系でもそうであったように、扇町・海芝浦・大川の各方面で行き先の文字が色分けされているのも見られました。
浜川崎・扇町方面の文字は赤色です。
なお、全線共通で鶴見行きは白文字です。
入出庫を兼ねている弁天橋止まりも白文字で表示されます。
後で調べたところ、海芝浦行きの文字は青色のようですね。
初日にして大川支線に入線
鶴見線の中でも特に乗車難易度が高いのが、「日中は電車が1本も来ない」でおなじみの大川支線(安善~大川)。
平日は通勤輸送のため朝夕に9本運行しますが、休日はたったの3本しかありません。
2023年12月24日の夕夜間には、鶴見17時40分発の大川行き(17時53分着)と大川18時14分発の鶴見行き(18時27分着)の1往復で、E131系が大川駅に入線しました!
大川行きの文字は黄色で表示されます。
折り返すまでに20分近く時間があったため、この時のドアは半自動ドアに切り替えられました。
ドア横のボタンを押して乗客が自分でドアを開ける方式です。
205系のように常にドアを一カ所だけ開放するよりも、乗客が自分で開閉する前提で全部のドアをいったん閉めておけるので、冷暖房効果は上がると思います。
行き先表示を撮る人、渡り線を渡る後姿を撮る人は安善駅で降りていきましたが、大川駅まで乗り通す人も多く、同駅でいろいろ撮影していたようですが、最終的にほぼ全員同じ電車で引き返していきました。
E131系はこれから205系を置き換えるべく数を増やしていきます。
焦らずとも地道に通えば、見られる機会は必ず訪れるでしょう。
2024年3月16日で置換完了・ワンマン化
JR東日本横浜支社が2023年7月24日に発表したニュースリリースによれば、E131系1000番台は3両編成を8編成で、計24両導入するとのこと。
これにより、既存の205系1100番台を順次置き換えていきます。
しかし、そのスピードは予想以上に早いように思えてなりません。
12月15日に出たダイヤ改正情報によると、鶴見線の車両は、2024年3月16日ダイヤ改正をもって205系からE131系へと置き換えが完了します。
以降は全線でワンマン運転に移行するとのこと。
つまり、鶴見線で205系に乗れるチャンスはあと約2ヶ月半しかありません。
そしてそれだけではなく、鶴見駅の鶴見線ホームの中間改札は2022年に撤去済みで、鶴見駅以外での精算方法は簡易IC改札機と乗車駅証明書発行機に。
いろんな意味で、E131系1000番台は鶴見線の新時代を象徴する車両になるでしょう。
しかし、車両の性能や快適性は205系より上がっていたと私は体感しました。
ゆっくり時間をかけて、新型車両にはこの地に定着してほしいものです。
さいごに
今回は、2023年12月24日にデビューしたばかりの鶴見線新型車両、E131系1000番台を見てきました。
首都圏の単線ローカル線区に導入され、旧型車両を置き換えたE131系が、今回でついに鶴見線にも進出。
あれだけ活躍しまくってた205系が姿を消す時が迫りつつあります。
最新基準の車両というだけあって、E131系1000番台は走行音が静かになり、座席の一人あたりの幅も約435mmから460mmに拡幅、身体にフィットする座り心地になりました。
防犯性能がアップし、車いす・ベビーカーでも使いやすいフリースペースも用意されています。
それでいて鶴見線の条件に合うよう、近年では珍しいストレート車体になっています。
とはいえ、やっぱり今まで乗ってた電車に対する思い出補正は強いですよね…。
たった2ヶ月半程度で一気に置き換えが進んでしまうので、「しばらく来れない間に全部新型車両に換わってた」となる可能性が大いにあります。
記念乗車・記念撮影はマナーを守りつつお早めに!
2024年3月16日にダイヤ改正が行われるので、その前日までがチャンス!
ということで今回はここまで。
ありがとうございました!
参考
JR東日本公式サイト
JR東日本の列車たち E131系
ニュースリリース 2023年7月24日
PDF 鶴見線への新型車両投入について
2023年12月15日 PDF 2024年3月ダイヤ改正について(横浜支社)
東洋経済オンライン 鉄道最前線
2023年9月23日 JR鶴見線、「都会のローカル線」は新車で変わる?
鉄道ファン 2023年12月26日
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