近年、タバコの自動販売機を町中で見る機会が少なくなっている気がしませんか?
吸うか吸わないかは別としてね。
本来であれば、使用されなくなったタバコの自動販売機は、大半の人々の知らない所でひっそりと処分されてしまうと思われます。

しかし一部の場所では、使われなくなったタバコ自販機を活用して、なんと粉末緑茶が販売されています。
その名は「Chabacco(ちゃばこ)」!
タバコっぽい箱に粉末緑茶のスティックが入っており、それをお水かお湯に混ぜるだけで簡単にお茶が飲めるアイテムです。

関東近辺の私鉄駅にも「Chabacco」自動販売機が設置されており、西武鉄道小田急電鉄伊豆箱根鉄道駿豆線で見ることができます。
私も知ってはいましたが、タイミングが合わずなかなか買えずにいました。

そんな中、2022(令和4)年12月19日より、西武鉄道創立110周年記念パッケージ「Chabacco」を販売しています。
先日の報道取材のおまけで、ようやく私も「ちゃばこ」を入手できました!

今回は、西武鉄道創立110周年記念パッケージを例に「Chabacco」を解説し、実際にお茶を飲んでみた感想もお話します。



タバコっぽい箱にレッドアロー

まぁまずは実物を見ていただくほうが早いでしょう。
これが西武鉄道創立110周年記念パッケージの「ちゃばこ」だ!

1969(昭和44)年、西武秩父線開業と同時にデビューした5000系「レッドアロー」の写真が使われていますね。

このパッケージの裏側には、西武秩父駅開業当時の写真も掲載されています。
そのついでにパッケージ下部にご注目!

「人により程度は異なりますが、110周年記念ちゃばこにより自身の歴史を振り返りたくなる瞬間が来ることは否定できません」
という、本物のタバコに似せたお茶目なメッセージまで添えられています。

そんなタバコっぽい箱を開けると、粉末緑茶のスティックが8本入っています。
これで価格は700円でした。
110周年記念パッケージには、「レッドアロー」と西武秩父駅の他、モハ550形と村山貯水池501系と所沢車輛工場のパッケージもありますよ。

これを見つけた場所は豊島園駅
5月16日に「スタジオツアー東京 エクスプレス」の取材を終え、同駅を離れようとした時に偶然、きっぷ券売機の横にちょこんと立ってる自販機を見つけました。

2022年12月14日付の西武鉄道プレスリリースでは、創立110周年記念パッケージ「Chabacco」は以下の駅で販売されているとのこと。

  • 高田馬場駅(3階JR線乗換口改札内)
  • 所沢駅(南改札 改札内)
  • 本川越駅(改札外 トモニー本川越駅店横)
  • 西武園ゆうえんち駅(改札外)
  • 西武秩父駅(改札内)

支払は現金のみです。
場合によっては、一時的に売り切れになっている可能性もあります。
いずれにも、狭山茶の生産者しては初めて天皇杯を受賞したという、株式会社新井園の狭山茶が使用されています。

ちなみに豊島園駅で販売される「Chabacco」ですが、6月2日より、としまえんアトラクションのパッケージと、魔法列車・電話BOXオブジェのパッケージも販売開始しました。
もちろん、豊島園駅限定パッケージも狭山茶です。

タバコを模した粉末茶のお土産

「Chabacco(ちゃばこ)」は、タバコを模したご当地のデザインの箱に、粉末スティック8本が入ったお茶です。
静岡県の株式会社クラフト・ティーが展開しており、静岡県を中心に全国60カ所以上の売店・自動販売機で販売されているとのこと。

冒頭に挙げた通り、タバコ自動販売機を再利用しているので、機械の廃棄を減らすことにも繋がっていると思われます。
見た目はタバコっぽいけど健康的
名前にシャレも利いているので、お土産としての面白さと実用性を兼ね備えています。
少なくとも、他人に渡して「いつ・どこで・どうやって使えと?」とは思われないはず!

お茶の種類も地域によってさまざま。
静岡県でいえば、静岡茶川根茶掛川茶などなど。

どこに自販機があり、そこでどの茶葉が販売されているかは、「Chabacco」公式サイトもご参照ください。
参考にしたサイトは本稿末尾にまとめます。



お茶産地にゆかりある鉄道

西武グループの鉄道会社は、西武鉄道(東京都・埼玉県)、伊豆箱根鉄道(静岡県)、近江鉄道(滋賀県)の3社。
何かとお茶の産地にゆかりがあるのか、駿豆線と近江鉄道の各主要駅にも「Chabacco」自販機が設置されています。

伊豆箱根鉄道駿豆線内では、三島駅伊豆長岡駅修善寺駅に「Chabacco」自動販売機が設置されています。
ここで販売されているのは静岡茶です。

近江鉄道では、近江鉄道本線彦根駅八日市駅貴生川駅と、八日市線近江八幡駅で「Chabacco」が販売されてます。
いずれも改札口に自販機が置かれているとのこと。

また、新名神高速道路の土山サービスエリア下り線の風除室にも「Chabacco」自販機があります!
いずれにも、株式会社マルヨシ近江茶の土山茶朝宮茶が使用されています。

各社とも限定パッケージで、自社の車両や沿線の要素が箱に描かれているので、自分で箱を集めるのも、鉄道好きの友人にお土産で渡す価値も大いにあるんじゃないでしょうか!

西武グループ以外の会社・駅は

西武グループ以外の鉄道駅にも「Chabacco」自販機はあります。
小田急小田原線小田原駅では、足柄茶の粉末スティックが、GSE(70000形)MSE(60000形)の限定パッケージで販売されています。

蒸気機関車で有名な大井川鐵道では、川根地方を行くだけあって、川根茶の「Chabacco」が販売されてます。
さすが大鉄、SL井川線が限定パッケージに!
その販売箇所は以下の通り。

  • 新金谷駅「プラザロコ」入口右側の屋外
  • 門出駅「KADODEOOIGAWA」
  • 塩郷駅・塩郷のつり橋付近
  • 千頭駅前
  • 奥大井湖上駅

ちなみに「KADODEOOIGAWA」には『ゆるキャン△』コラボパッケージも売ってるそうな。

他にも、名鉄名古屋本線東岡崎駅や、黒部峡谷鉄道宇奈月駅にも限定パッケージがあります。
特に、宇奈月駅では黒部の紅茶ハトムギ茶が販売されてるとのこと。
紅茶とあらば見逃せねぇなぁ!

それ以外にも、限定パッケージではないとはいえ、静岡駅、掛川駅、浜松駅に岐阜羽島駅という、東海道新幹線一部駅にももれなく「Chabacco」自販機があります。

以前訪れた高山駅とその周辺にも、岐阜茶の「Chabacco」が。

公式サイトを参照してみると、鉄道駅の販売箇所や、鉄道限定パッケージが意外とあちこちにあるようです。
東海道本線周辺を軸に、関東圏から近江鉄道あたりまでは遭遇率が高そうなので、ぜひ探してみてください。

お湯で溶かして味もバッチリ

さて、私が買ってきた「Chabacco」に戻りましょう。

これでお茶を作る際、1杯につき1本のスティックを使います。
個包装までタバコっぽいデザインですが、裏には茶葉のイメージがあしらわれています。

「Open your heart. Share your smile.」なんて小粋なメッセージも。

袋を開けてみると、まぁ細っかい粉末だこと!
撮影のため一度お皿に出しましたが、実際は直接カップに投入しちゃってください。

そこに水またはお湯(今回はお湯で)を注ぎ、よく混ぜるとこんな感じ!
あれだけの粉末で、200ミリリットルのお湯には十分なほど濃い色が出ます。

見た目に違わず味もしっかり出ており、深い香りと心地良い渋味がやすらぎに誘ってくれます。
場合によっては溶け残りが出る可能性もあるので、そしたら2杯目に持ち越しても良いんじゃないかと。

また、ペットボトルのミネラルウォーターに粉末1本投入し、良く振ることでもお茶になります。
外出時に「Chabacco」をカバンに忍ばせていても使い道はあるんですね。

粉末1本開けて水かお湯に溶かすだけでこの美味しさ。
当然、リーフの茶葉で淹れたらもっと美味しいかもしれませんが、本格茶葉の味を手軽に体験できるアイテムとしては、「Chabacco」はとても優秀だと思いました。



さいごに

今回は、タバコっぽい箱に粉末緑茶が入った「Chabacco(ちゃばこ)」なるものを、西武鉄道創立110周年記念パッケージを例に解説・喫飲してきました。

鉄道のパッケージにこだわったあまり入手が遅れましたが、お茶自体は沿線の有名どころを使用しており、良い味良い香りです!
自分で飲むのも、誰かにあげるのも、「Chabacco」だったら歓迎されるかも!?

もっとも、私は紅茶派ですが、緑茶は緑茶で良いものです。
というか、黒部紅茶の「Chabacco」があると知ってしまった以上、富山に行く理由がまた一つできました。
また面白そうなものを入手出来たり飲めたりしたら、取り上げたいと思います。

今回はここまで!
ありがとうございました!

参考

リンクは全て別タブで開きます

西武鉄道公式ホームページ ニュースリリース
2023年6月1日 豊島園駅のリニューアルにあわせ「Chabacco」の新パッケージが2種類登場!
2022年12月14日 「Chabacco」に西武鉄道創立110周年記念 新パッケージが登場!

西武ホールディングス 関連リリース
2022年10月24日 西武鉄道高田馬場駅、近江鉄道4駅および土山サービスエリアで10月31日(月)より『Chabacco』の販売を開始します!
2021年11月18日 11月26日(金)より西武秩父駅で『Chabacco』販売開始!
2021年8月25日 廃棄予定のタバコ自動販売機を利活用し、日本茶の魅力をユニー君形で発信する『Chabacco』を9月1日(水)より西武鉄道の駅構内で販売開始

Chabacco(ちゃばこ)公式ホームページ
株式会社ショータイム(Chabaccoの商標登録元)
公式ホームページ
株式会社クラフト・ティー(Chabaccoの販売企業)
公式ホームページ

関連実績

マイナビニュース 2023年5月22日
西武鉄道「スタジオツアー東京 エクスプレス」が池袋~豊島園間に