ここ最近まで、諸々あってNゲージ鉄道模型の自宅レイアウトで遊べる時間がありませんでした。

精魂込めて作ったレイアウト・ジオラマでも、何もしないでいるとホコリが溜まっていきます。
そしてレールの輝きも失われていきます。
その状態で列車を走行させてもまともに走らない上に、せっかく作り込んだ情景もホコリで邪魔されるばかり。

今回は、ほぼ1年弱触らずにいた鉄道模型レイアウトに溜まってしまったホコリやレールの錆を徹底的に掃除する、その方法例をご紹介します。
これを参考に、長らく眠らせていた間にホコリ被ってしまった作品を蘇らせてあげてください。


約1年放置していたレイアウトボード

包み隠さずに話しますと、昨年の夏に車両を走行させたのを最後に、自宅レイアウトを約1年間放置していました。
もちろん家の中で日光を避けた場所に置いているので、日焼けはあまりしていないはずですが、それでも、せっかく作り上げた盤上にはホコリがびっしり溜まってしまいました。

ホコリを溜めただけでなく、線路も錆びており、金属の輝きが失われています。
鉄道模型は基本的に線路から給電します。
こんな状態では列車など走るはずもありません。

しかし私の場合、純粋にNゲージを楽しむだけでなく、自宅レイアウトで撮影した鉄道模型の写真を(当ブログを含む)メディア寄稿記事に使うことだってあります。
だから、しばらく掃除していなかった程度でこのレイアウトを手放すわけにはいかないのです。

今まで管理をサボっていた自分を一喝するように、大真面目に大規模にこのレイアウトを掃除していきます。

高所の埃を落とそう

そしたら最初に、取り外せる構造物は外して除けておいてください。
建物やホームは後ででも構いませんが、特に架線柱は優先して外しておきます。

最初は、目に見えるレベルで大きなホコリを除去していきます。
いきなり掃除機を当てても構いませんが、先に屋根上のホコリを地に落としておくとスムーズでしょう。

乾いた筆や刷毛で、屋根に乗っているホコリを地面に払い落としてください。
何度か筆を払えば十分でしょう。
この時にたぶんホコリが舞うので、換気しながらの作業をおすすめします。

物によっては先にベースから外して、直接ゴミ箱にホコリを払い落としても良いかも。

これを、配置した建物全部で行ってください。
テーブルに乗らないほど大型なレイアウトでは、部分ごとに作業順を分けて順番に進めても良いと思います。
面倒でなければ、取り外しできる建物をいったん外して、それぞれ掃除していきましょう。


掃除機で埃を吸い取る

レイアウトの地面にホコリを落としたら、その全てを掃除機で吸い取ってしまいます。
固定した人形・標識・自動車などを巻き込まないように注意しながら、取り付いたホコリを全て吸い上げてください。
小物の固定が外れて掃除機に巻き込んでしまった場合は、救出の上、後で再配置しましょう。

建物同士の間にも結構溜まります。
取り外せるなら建物を取り外し、軒下まで徹底的に掃除機がけしてください。

目に見えるホコリがなくなるだけでもだいぶスッキリしました。
やるべきことはまだありますが、キレイになっていくのが分かればモチベーションも上がりますよね。

ここでネックなのは、樹木や、フォーリッジクラスター(テラプランツ)やライケンを貼りまくった山です。
もちろん掃除機を直接当てて、除去れるホコリは除去しますが、スポンジの細かくて不規則な凹凸にホコリ絡まるため、思い通りにいかないことも多いです。

そのため、許容範囲まで掃除できたらOKにしましょう。
後で新しい葉を追加したり、色褪せた部分をアクリルガッシュなどで塗り重ねたりしても良いと思います。

水拭きと乾拭き

大まかにホコリは掃除できましたが、実はまだ、目では見にくいホコリがこびりついている可能性があります。
それが残っていると、その部分が白っぽく退色したように見えてしまいます。

ですので、ここからは水拭きもしていきましょう。
綿棒に水を含ませて、さっきまでホコリが乗っていた箇所などを拭いてください。
とはいえ普通の綿棒では小さいので、適当な大きさに切って割りばし先端に輪ゴムで留めたガーゼを使うとコスパが良いですよ。

綿棒またはガーゼに茶色っぽい黒い汚れが付いていたら、まさにホコリがこびりついていた証拠。
水拭き後は綿棒・ガーゼなどで乾拭きして水分を取ってください。

この時、配置しているものの材質は気にかけておきましょう。
プラスチックアクリルガッシュで着色した場所なら大丈夫ですが、特に水に弱いものに、水分びっしょりの綿棒を押し当てるのは避けるほうが無難です。
水拭きOKな箇所もこすり過ぎれば塗料が削れてしまいますが…。

ですので、余程ガンコでないなら軽い力でホコリを落とせるはずです。

人によってはジオラマ上に水の表現もあるはずです。
水拭きの際には、絵の具で描いた白波が消えないように注意してください。

もし白い色が落ちてしまったら、また波を立ててジェルメディウムなどで保護してあげましょう。


レールクリーナーとレシートで磨く

シーナリーのほうが掃除できたら、線路周りの掃除もやっていきましょう。
駅舎やホームなどにホコリが残っているなら、先にそれらを除去しておいてください。
もちろん、取り外せる構造物は取り外して作業するのをおすすめします。

ここでは、表面の錆びたレールを復活させていきます。
やり方は日常的なレールクリーニングと同じです。
綿棒・ガーゼ・ボロ布のどれかにレールクリーナーを浸み込ませ、レール踏面を拭いていってください。
私は割りばしガーゼで進めました。

大型綿棒・割りばしガーゼで拭きにくい、ポイントレールの内側などは、細い綿棒を使うとやりやすいです。

しかし、長期間掃除していなかったレールを綿棒だけで拭いても効果が薄いかもしれません。
そんな場合に私は、感熱紙のレシートをヤスリ代わりによく使います。

あの黒く文字が印字されている面は、人間が触ると超ツルッツルですが、実はとてつもなく目が細かいヤスリの代用にもなります。
レールクリーナー綿棒と併用して感熱紙レシートで踏面を磨いてみましょう。
なおレシートでこすった後は再度濡れ拭きしてください。

一般的なヤスリで目が細かいのは2000番(数字が上がるほど目が細かい)だと思いますが、鉄道模型のレールには2000番でも細かな傷が残り、走行に支障をきたします。
必ず、もっと細かい目のフィニッシングペーパーを併用し、踏面をなめらかに仕上げなくてはなりません。

だからこそ私はレールクリーナー綿棒とレシートを併用するようになりました。
本当はヤスリもレシートも使う必要がないレベルを維持できるのが良いのですがね…。

ちなみに、カーブ半径の大きい大型レイアウトには手を伸ばしにくいと思うので、レールクリーニングカー(TOMIX)も役立つかもしれません。
保有するレイアウト・ジオラマの規模と相談し、より良い方法でレールをキレイにしてやってください。
そしてもちろん、レールを掃除した後は試運転を行うこともお忘れなく!

あの場所に人形をもう一度

ここまでやったらあと少し!

掃除をしている最中に、人形や小物の構造物が外れてしまうことがあります。
最後は、外れた人形・小物類を元の位置に戻しましょう。
置く場所や材質にもよりますが、基本的にゴム系接着剤を使えば大丈夫だと思います。

それが自由に変更可能なもので、制作当時から当時気が変わったならば、別の人形・小物を配置するのも良いと思います。
新しい人や物を置く位置は、自身の感性や過去にモデル地を訪問した思い出・記録を探って、いろいろ考えてみてください。


ガッツリ掃除して情景復活!

さぁ、これで鉄道模型レイアウトが復旧しました!
掃除した後のレールで列車を試運転して、大丈夫そうなら模型ライフの再開です!

自分で作った情景と一緒に鉄道模型を楽しむのはやっぱり最高ですよね!
この程度の大きさでもガッツリ掃除するのは意外と大変ですが、ライトを煌々と灯して走る鉄道模型を眺めていれば「やってよかった」って思えること間違いなし!

この復旧以降は、半年前に自作していたPWMパワーパックで列車を動かすようにしました。

これを元々のフィーダーと接続するには、メス端子だけ短く切り出した延長コードから芯線の被覆を剥き、はんだでコーティングした自作のアダプターを使用しています。
同じ要領でユニトラック(KATO)用のアダプターもあります。

こんな風に、少し手を付ける余裕がなくなると、そのまま自分の作品で遊ばなくなる日が多くなっていくかもしれません。
気が付いたら私みたいに盤上にホコリを溜めてしまうこともあるでしょう。

ですので、やろうと思った時にしっかり掃除して、ご自身の作品と長く付き合っていけるよう、お手入れを欠かさずにしてやってください。

さいごに

今回は、しばらく手付かずだったせいでホコリを溜めてしまった自宅レイアウトをガッツリ掃除する様子をご紹介しました。
ガーゼと割りばしめっちゃ使える。

ホコリも錆びも車両の走行に支障をきたします。
動力ユニットのギアボックスなどの隙間にホコリが入り込むことで、動力不動の原因にもなります。

だから、可能な限りのホコリを吸い取りレールを磨く
日頃のメンテナンスはもちろん大事ですが、ガッツリ清掃する機会も必ず訪れるでしょう。
然るべき時にしっかり手入れをして、長ーく自身の作品と付き合っていってください。
私も自宅レイアウトにはまだまだ活躍してもらいます。

今回はここまで!
ありがとうございました!