やろうやろうと思っていた、Nゲージ鉄道模型のライトの交換をやる時が来ました!

これまで旧製品の動力を自力でメンテナンスし、復活した車両はありましたが、残念ながらライトは古いままにしていました。
とにかくまずは走ることが大事なのでね。

まだ治していない車両もありますが、それと並行して、電球のヘッドライトをLEDに換装することにもチャレンジしていこうと思います。
そのために、はんだごて・はんだ・はんだ吸取線など、最低限の機材も揃えました。

今回は以前動力を修理した、KATO旧製品DD13形ディーゼル機関車を例に、ヘッドライトを電球からLEDに交換する方法を実践してみます!
先に言っておくと課題も残りましたので、「古いヘッドライトをとりあえずLED化させたい」という要領でご覧ください。

どう考えてもメーカーの意図しない改造なので必ず自己責任でお願いします。



電球で光る旧製品

Nゲージにおける、DD13形及びその派生形式は、KATOTOMIXマイクロエースから発売実績があります。
私が持ってるのはKATOの品番「7001」、DD13形117号機。
動力が新しくなる前の、ダイキャスト集電のロットです。

もちろんヘッドライトも点灯しますが、このロットのヘッドライトは電球
LEDを搭載した鉄道模型が主流になっている今、どうしても電球では暗いです。

よほどのことが無い限り大丈夫だと思いますが、白熱電球は熱を持つため、長時間光を発し続けると車体が内側から溶けてしまう可能性も、万に一つとして否定できません。

LEDに換装するメリットは

では、わざわざNゲージにデフォルトで付いていた電球を自力でLEDに交換することに何のメリットがあるのでしょうか。

その一つが、長寿命・高光量
電球よりもはるかに明るくライトが光るようになります。
種類にもよりますが照射角度が狭く比較的直線的に発光するので、場合によっては対策が必要にもなりますが。
また、LEDは正しく使えば寿命も長いので、鉄道模型ならそれ以降ほぼ交換不要になるかも。

二つは、消費電力及び発熱の低減
白熱電球よりも少ない電気で発光し、光源の発熱もそれより少なく済みます。

鉄道模型は、パワーパックごとに決められた定格電流(Nゲージならだいたい1A~1.2A、1A=1000mA)を超えないようにライトやモーターなどに電気を分配します。
ライトの消費電力が少なく済めば、パワーパックからの給電を食い合いにくくなるでしょう。
もっとも、パワーパック1台に無茶を強いることが無ければ気にしなくて良いかもしれませんね。

そして三つ、色が選べる
鉄道模型では電球色と白色をメインにしつつ、色味の異なる光を使い分けやすくなります。
白熱電球では色に変化をつけるのはたぶん困難でした。

ライトの色を変えたい場合にも、電球からLEDに交換する意義は大いにあるでしょう。
なぜか七色に光る室内灯が売ってるくらいですもの!

あとは、車体やその他部品に干渉させずに正しい向きで部品をはんだ付けする技術もネックになるかもしれませんが、そればっかりはやらなきゃ身に付きません

当サイトを参考にしていただけるなら大変光栄ですし、他サイトを参照したって良いのです。
迷ってるくらいなら前に出ましょう!

電子工作向けのはんだごて

当サイトで電子工作を扱うのは初めてなので、とりあえず簡単に機材をそろえてみました。

コレがないと始まらない、はんだごて
鉄道模型の電子工作用なら20~30Wの機種で十分でしょう。

私はガンタイプという存在を知ってしまい、大見栄張って30W・60W切り替え式「KYP-70」(太洋電機産業・goot)を買っちゃいました。
が、メーカーや形にこだわりが無ければ1,000円前後の安いもので全然OKです。

はんだごてのこて先が高熱になるので、火事・火傷に十分注意してください。
発熱したこて先を置いておくのに、簡素で良いからこて台も用意しておくと良いでしょう。

こて台にはスポンジも付属していると思うので、それに水を含ませ、こて先の冷却や掃除もお忘れなく。

その他、電子工作向けのヤニ入りはんだや、元々のはんだや失敗したはんだを取り除くはんだ吸い取り線も忘れずに!
単品で集めても構いませんが、太洋電機産業gootが発売している「電子工作GEARセット」だと、ヤニ入りはんだ、吸い取り線、こて台に加えてヒートクリップとリーマーも付いてきます。

今回は用意しませんでしたが、はんだを流れやすくするフラックスを使うのも良いと思います。



今回使う部品

今回使う電子部品は以下の3つです。

まずはLED
ウォームホワイト口径3mm(Φ3)砲弾型LED「OSM54K3131A」(OptoSupply)を使います。

東京・秋葉原の千石電商にて、10個入り400円(1個あたり40円)でした。
お店によって価格が微妙に変わると思うので、一例として。

このLEDは順電圧3.1V・順電流20mAです。
流して良い電流が20mAで限界だと考えれば良いでしょう。

LEDには極性がある

一部例外を除き、LEDには極性があります
光源から伸びているリード線(金属の足)の長さが、左右で違っていますよね?
リード線の長いほうがプラス(アノード)短いほうがマイナス(カソード)になります。

電気はプラス(アノード)からマイナス(カソード)に向かって流れるので、その極性を必ず意識しましょう。
リード線の根元に色を付けると分かりやすいと思います。

電流を制限するには

メリットも多いLEDですが、極性以外に面倒な点があり、抵抗などを使った電流制限を必ず行わなければなりません。
電流制限をせずにLEDに電気を流すと、大電流を直に受けてLEDが壊れます

それを防ぐために用意したのが2つ目、定電流ダイオード(Current Regulative Diode・CRD)です。
SEMITEC(石塚電子)の「E-822」を買いました。
千石電商で1個60円でした。

これを正しく回路に組み込むと、「E-822」の最高使用電圧(30V)まで電圧を上げても最大8.2mAの電流しか流れないようになります。
Nゲージの電圧は最大12Vなので、ラインを超えることはまず無いでしょう。

ただし、ダイオードという以上は極性があります。
青い線が入っている側がマイナスになっています。

CRD上は、青い線が入っていないプラスから線が入っているマイナスに向かって電気が流れるので、部品の向きに気を付けてください。
逆向きに付けると電流ダダ漏らしにします。

なお、CRDは電子部品の中では少々高額なので、抵抗計算ができて、かつ低コストで収めたいなら、CRDのかわりに抵抗を使うと良いでしょう。
私は抵抗計算に慣れてないのと、一定の明るさをキープしたい理由でCRDにしました。

また、CRDでもライトをもっと明るくしたい場合は「E-103」(10mA)や「E-153」(15mA)、暗くしたい場合は「E-562」(5.6mA)に変えてみてください。
近いうちに室内灯も自作してみたいので「E-562」も買いましたが、私基準ではヘッドライトなら8.2mA以上かな。

スイッチングダイオード

CRDに逆向きの電流が流れれば電流制限が働かず、最悪やっぱりLEDが壊れることに。
しかし鉄道模型は、線路に流す電気のプラスマイナスを入れ替えて前進・後進を切り替えます。
せっかくのLED・CRDなのに、これでは鉄道模型のヘッドライトに本当に組み込んで良いものか…。

そこで、電流のスイッチング用に最後3つ目の部品を使います!
小信号用シリコンダイオード「1SS133」(ローム)を買ってきました!

2023年8月現在、「1SS133」はとっくに廃盤になったと思われますが、横浜・石川町のシンコー電機で偶然見かけたので買っておきました。
1袋5個入りで100円(1個あたり20円)。
ぶっちゃけ大手ショップなら現行品が安く手に入りますが、このくらいのごひいきは、ね。

順方向電流は100mA順方向電圧は1.2V
しかし、逆方向の耐電圧が80Vあるので、それまでの逆向きの電気を流さないようにします。

例によって、黄色い線のないプラスから線のあるマイナスに向かって電気を通しますが、スイッチングダイオードということで、マイナスからプラスに向かっては電気が流れません
これでLEDとCRDを守ることができます!

ちなみに「1SS133」の代替品としては、秋月電子通商などで販売されている「1N4148」が入手しやすいかも。
古い型番で鉄道模型に使えそうなのは「1S1518」や「1S2076」などでしょうか。
その他にも整流用のダイオードはいろいろあるので、各自でご参照願います。



白熱電球の回路をLED対応に

だいぶ前置きが長くなりましたが、ここから作業をしていきます。
今回はいきなりライト基板を取り出したところからスタート!
詳しい分解方法は過去記事をご覧くださいまし。

このDD13形においては、導電箔の面が上を向きます。

そして、部品が取り付けられている面が下になります。

雑な手描きですみませんが、簡単に回路図にすると以下の通り。
元々の回路はスイッチングダイオードと電球が取り付けられているだけの単純構造です。

鉄道模型のレールには、進行方向右側のレールにプラスの電気が流れますが、電球には極性が無いため、それだけでは車両の向きに関係無くヘッドライトが点灯してしまいます。
それを、進行方向にしかライトが点灯しないようにダイオードで整流していました。

新しい回路では、順方向に電流制限を行うCRD、ウォームホワイト(電球色)のLED、整流を行うスイッチングダイオードを以下の順番で取り付けたいと思います。
CRDを最初に置き、CRDを通った上でLEDに通電、最後にスイッチングダイオードで整流するイメージでやっていきます。

元々の部品を外す

いよいよはんだごてを手に取りましょう。
まずは、古い部品を一度除去します。

はんだ吸い取り線をはんだ接合部に当て、その上からはんだごてを押し当て熱を加えましょう。
すると、元々のはんだが「じわっ…」と吸い取り線に沁み込んでいきます。

基板からはんだが無くなり、元々の部品が外れるようになりました。

はんだを除去した後の吸い取り線をハサミやニッパーで切り取ると、一回吸い取ったはんだが熱でまた溶け広がるのを防げます。
吸い取り線自体も高温になるので、加熱中の吸い取り線本体には決して素手で触らず、ケースを持つかピンセットで押さえてください。

したら、元々のパーツは2つだけだったのに対してLED化後は部品が3つになるため、どこかに穴を開ける必要があります。

悩みに悩んだ結果、穴一つ目はLEDのカソードのすぐ隣
二つ目は基板の出口付近入口側のダイオードのアノード穴と隣り合う位置に穴を開けます。
ピンバイスで1mm開口しましたが、もっと小さい穴でも良いかもしれません。

それに併せ、LEDのカソードから出口に向かう導電箔を、新たに開けた穴との中間付近にカッターで切り込みを入れて絶縁しました。

これで、CRDとLEDを取り付けても、ダイオードを経由しなければ電気が流れないようになりました。
もう後戻りはできません。

位置に注意してはんだ付け

では、CRD・LED・スイッチングダイオードをはんだ付けしましょう。
リード線を基板の穴に通し、余った足を折っておきます。
そうすればリード線が外れなくなります。
脱落や熱が心配なら、部品本体やリード線を基板ごとクリップなどで押さえつけると良いですよ。

したらこて先を基板の穴に当て熱したところにはんだを付け、溶けたらはんだ・はんだごての順で離す

撮り方が悪くて写っていませんが、上の写真ではCRDをはんだ付けしました。
はんだは、少ないのは良くないですが盛りすぎても他の接点に干渉してしまいます。

理想的なのは、山型にはんだを盛れること。
ですが私もちゃんとできてませんね…。
こればっかりは精進します。

とにかく、同じ要領でLEDもスイッチングダイオードもはんだ付けします。
はんだ付けした後、余ったリード線はニッパーでカットしておきましょう。

途中の写真が無いんですが部品3種類を取り付けました。
LEDのカソードとスイッチングダイオードのアノードは近い位置にあるので、多めのはんだで一緒くたに固定してあります。
今回使用したLEDの「OSM54K3131A」はつば付き根元が若干出っ張っているので、削ってからはんだ付けしましょう。

これを裏返すと以下の通り。
手前の青いラインのある部品がCRDです。
スイッチングダイオードのアノードのリード線をLEDカソード付近に合うように曲げるのが大変でした。

3つとも部品をはんだ付けして余ったリード線も切り落としたので、基板をダイキャストに戻して状態を見てみましょう。

バッチリですね!!
あとは車体を組み直せば作業は終了です!

ちなみに通電テストをする時、ワニ口またはミノムシクリップがあると結構はかどりますよ。
後日買い足しました。



LED化は明らかに明るく

ヘッドライトを無事に電球からLEDに交換することができました。
その変化はどれほどか!?

明らかに変わった
交換後のほうが明るくハッキリ、ヘッドライトが点灯しています!
両側ともちゃんと点灯してくれました。

交換前と比べればその差はもっと分かりやすいでしょう。

前回と同じく適当に客車を1両繋いでみました。
国鉄型車両に暖色系の光は雰囲気ピッタリだと思います。

片方は実質失敗してた

ところがどっこい、手放しで喜ぶわけにはいきませんでした。

もう片方のヘッドライト基板(実は撮影前に作業した)の導電箔が一部焼損してしまいました。
撮影した形に行き着くまでに一度部品の配置を失敗(ダイキャストに干渉して入らなかった)、やり直しを余儀なくされたため、高温のこてを何度も基板に当ててしまって導電箔が溶けたと思われます。

そのため、片方のはんだ付けは実質的に失敗です。

完全な失敗にならずに済んだのは、基板を正しく取り付けた際、新たに組み込んだスイッチングダイオードのリード線がダイキャストに接しそこに電気が通るようになったから。
奇跡的に電気が正しく流れたため、基板はダメになりかけたけど結果的には大丈夫になりました。

ちなみに、本当に基板自体が使えなくなった場合、分売パーツを組み込むか、ユニバーサル基板を同じ大きさにカットして自力で基板ごと作り直すなどの対処が求められます。
初めて電球ヘッドライトのLED化に挑む場合は、失敗しても良いもので練習すると良いでしょう。

次なる課題は逆起電流

もう一つ、課題も残りました。
車両を走行させた際、進行方向と反対側のヘッドライトもチカチカ光るようになってしまいました。
正確には、元からこうなっていたけどLEDによって明白化したってところでしょうか。

これは、逆起電流による現象です。

本来なら、モーターを流れたプラス電気は車輪からマイナス電気のレールに流れていくのですが、車輪とレールの接点があまりにも小さいために、電流がレールに流れられない時もあります。
すると、その電気がまた車両の回路を流れることになり、反対側のヘッドライトに作用してしまう、といった感じです。

これを防ぐには、微量のチップ積層セラミックコンデンサー20オーム程度の抵抗をモーターと並列に繋いだスナバ回路を取り付けると良いでしょう。
コンデンサーは蓄電を行えるので、微量の逆起電流がそっちに流れていくものと思われます。

ただ、旧製品のDD13形ではスナバ回路のスペースに余裕がなく、あってもダイキャストにはんだ付けしたらたぶん分解不可になります(下手すりゃダイキャストも溶けるかも?)。
実際の走行時も、機関車の後ろは客車や貨物がほとんどになるので、当面の間はこのままでいようと思います。

さいごに

今回は、KATO旧製品のDD13形を例に、白熱電球のヘッドライトを自力でLEDに交換する方法を実践しました。

効果は先ほど見ていただいた通りです。
間違いなく今までより良くなりました!

ヘッドライトをLED化させる際に必要なのは、LED本体抵抗または定電流ダイオード、必要ならスイッチングダイオードと、意外と単純構造です。
これは、テールライトのLED化にも同じことがいえます。
スナバ回路も作ってみたいですが今回は省略します。

自力で動力を治すのももちろんですが、ライトの交換にも成功すれば、さらに車両への愛着が高まる上に、その車両も引き続き一線級で活躍できること間違いなし!

高温のはんだごてを扱うということで、火傷・火事、さらには部品や基板(特に導電部分)の焼損にも十分注意して作業してみてください。
あと鉄道模型の自前の改造は自己責任で!

今回はここまで。
ありがとうございました!