相模鉄道は2023(令和5)年6月19日から8月下旬頃までを予定に、8000系8713編成(8513-8713)の前面に、登場時カラーをイメージしたラッピングを行っています。

同社では、サービス向上のために自動放送の導入案内表示器改良を行っているそうですが、それに並行して前照灯を窓下から上部に移設する工事も行っています。
相鉄の公式情報によれば、まもなく前照灯移設工事が全編成分終了するとのこと。
そうなれば8000系登場時から続いた、前面窓下中央に前照灯を擁したスタイルは相鉄から消滅することにもなります。

この復刻ラッピングが施された8713編成が、その最後の編成だと思われます。
ということで今回は、(顔だけ)登場時カラーに戻った8000系8713編成を沿線で撮ってみました。
併せて、8000系の他のカラーリングも見てみましょう。



相鉄の平成ニューフェイス

相模鉄道8000系は、6000系の置き換えを目的に1990(平成2)年12月に登場した車両です。
それまでの相鉄車両の大半が切妻形状の前面だった中、8000系は「く」の字型の前面となり、洗練された雰囲気に。
しかし前照灯は窓下中央に配置され、スタイリッシュながらも独特な顔立ちをしています。

車体はアルミ合金製です。
7000系・新7000系や、2100系、5000系の実績が生きていますね。

他にも、種別しかなかった側面表示に行き先表示を追加、車内に3色LEDの案内表示を導入と、サービス面の向上も図られています。
9000系と並行して製造された1993(平成5)年以降の編成は、車いすスペース非常通報装置も登場時から備えていました。

日立製GTO素子VVVFインバーター制御(現在は全車IGBT素子に更新済)や、相鉄では初となる電気指令式ブレーキも採用されました。
とはいえ、直角カルダン駆動、外付けディスクブレーキ、ボタン式開閉の客室窓や鏡といった相鉄ならではの要素も多く、総じて個性的な車両だと思っています。

編成はロングシートの10両貫通編成(6M4T)で、よくある私鉄の通勤電車といえますが、実は5号車と8号車のみセミクロスシートです。
つまり、東海道・東北・高崎線のE231系・E233系のようなあの2人掛け向かい合わせの座席に、横浜~海老名・湘南台間で座れちゃう!
私もかなり気に入ってます。

Wikipediaを見るに現存する本数が登場時の約半分になっているようですが、それでも残っている編成は相鉄本線・いずみ野線でバリバリ活躍していますよ。

赤から青・オレンジ、今やネイビーも

現在の相鉄車両には、「YOKOHAMA NAVY BLUE(ヨコハマネイビーブルー)」やオレンジのラインの塗装が混在しています。
編成によりますが、8000系も様々な塗装を経て現在に至っています。

登場時の8000系は、前面から乗務員扉までライトグレーで、そこから赤・白のラインが側面下部に続く塗装でした。
しかし、相鉄グループの新マークが設定された2007(平成19)年頃から、ライトグレーを基調に、側面上部と前面窓下(くの字の頂点付近)に青色側面下部にオレンジのラインをあしらった塗装に変更されました。

この青いラインの外観を見慣れている人も多いのではないでしょうか。

ところで、8000系の全編成が新塗装に変わった後は9000系が順次リニューアルされ、2016(平成28)年より順次、ヨコハマネイビーブルーの外観に変更されましたよね。

それ以降、東急東横線対応の20000系(2018年)、JR線直通車両12000系(2019年)、東急目黒線乗り入れの21000系(2021年)と、「デザインブランドアッププロジェクト」に基づいた新型車両が続々と導入されました。

8000系にネイビーブルー編成が登場したのは2020(令和2)年のこと。

8709編成(8509-8709)の外観が「YOKOHAMA NAVY BLUE」に一新され、スカート形状もリニューアル!
さらに、前照灯が前面下部中央から上部左右に移設され、種別・行き先表示が一体型フルカラーLEDに更新されました。
また、車内の座席の色吊り革形状にも変更が加わりました。

冒頭で述べた通り、前照灯移設・表示器更新工事は8000系全編成に行われているとのこと。
そのため、ネイビーになっていない青・オレンジ塗装の先頭車両もみんな一様に手が加えられており、2022年12月19日に8708編成(8508-8708)がその第1号として復帰しました。

正直なところ、この工事は私が思った以上に早くに進んでいるみたいで、今年夏の終わりごろを予定に窓下中央のヘッドライトが相鉄では見納めとなる模様です。



窓下ライト見納めは赤い前面で

本稿公開時点でライトを移設していない状態で稼働している唯一の8000系が8713編成です。
その両先頭車の前面に、登場時の赤色のラッピングが施され6月19日より一般運行を開始しました!

海老名・湘南台方先頭車両「クハ8513」には、相鉄グループマークも白文字で入れられています。

一方、横浜方先頭車両「クハ8713」は、グループマークのないガチの登場時仕様になりました。

運行区間は相鉄本線・いずみ野線全線!
場合によっては西谷折り返しもあるので、横浜~西谷間は特に遭遇率が高いと思います。

なお、繰り返しですが、旧塗装の復刻は前面のみ
側面はオレンジラインのままですよ。
なので、沿線で見てるとかなり不思議な雰囲気がありました。

イベント列車から一般運行へ

実は、6月18日に事前応募制で開催されたイベント列車「相鉄線ミステリートレイン Re」で8713編成が使用されたのですが、その時にこの前面旧塗装ラッピングが初公開され、SNSでも大きな話題になりました。

その翌日から、ラッピングを施した状態で一般運行にも就いたみたいで、それに合わせて公式発表が出されたと思われます。
下の写真は今年の1月に撮影した8713編成ですが、その時はまだ前面青ラインのままでした。

また、相鉄の当該ニュースページを見てもらうと、8713編成がなぜか西谷駅の羽沢横浜国大方のトンネルから出て来る写真が掲載されています。
これはつまり、18日はイベント列車として8713編成が羽沢横浜国大駅に入線したともいえます。
そういった観点でも、当日の注目度は高かったのかなぁと。

今回撮影したのは7月の平日日中だったため、正直あまり鉄道ファンの姿はありませんでした。
が、鶴ケ峰駅で同業者を見かけたので注目する人はちゃんと見に来ています。
もちろん私も含め、安全かつ良識的に撮影してました!
公式の予定通りなら8月下旬まで運行しているようなので、相鉄線を訪れた際は狙ってみてはいかがでしょうか。

さいごに

今回は6月19日から8月下旬まで予定で運行中の、前面に登場時カラーの復刻ラッピングが施された相鉄8000系(8713編成)を撮影してきました。
前面だけとはいえ、この色と顔でジョイナスに入っていく姿はなんか懐かしくなりますね。

相鉄がこのような旧塗装の復刻を行うのは、たぶん珍しいことじゃないでしょうか。
塗装変更でいつの間にか無くなっていた赤い8000系、まさか令和の現代で見られるとは思ってませんでした。
ネイビーも気に入ってるけどやっぱりこの色なんだよなぁ!

相鉄車両で窓下中央のヘッドライトが見られるのはこの8713編成が最後!
横浜~海老名・湘南台間で狙ってみてください。
また、毎度のことですが安全とマナーを守って楽しみましょう

今回はここまで!
ありがとうございました!

参考

以下のリンクは全て別タブで開きます

相模鉄道公式サイト
電車車両図鑑
相鉄ニュース 2023年6月19日
8000系車両導入時の塗装をイメージしたラッピングにて運行

鉄道ファン 2023年6月18日
「相鉄線ミステリートレイン Re」運転
2023年1月9日 相鉄8000系に新たな形態

Wikipedia 相鉄8000系電車