Nゲージ鉄道模型には、よくお店で見る完成品の他に自分で組み立てるキットも発売されています。
しかしいきなり車両を組み立てるとなると工具や塗料などが必要で、キット自体も安い買い物ではないので何かと敷居が高いもの。
じゃあ車両のパーツをグレードアップさせるのはいかがでしょうか!?
ありがたいことに現代では3Dプリンターという、立体部品を自分で設計できちゃう機材も存在しています。
わたしは自宅に3Dプリンターがないものの、「YMProject」というクリエイターさんが頒布しているアイテムを入手しておりました。
これを使って、3Dプリンター出力品の組み立て・塗装をやってみたいと思います。
鉄コレの登山電車に新パーツを
というわけで、これがそのアイテム「神奈川の登山電車用 連結可能な水タンク(現行型1両分2個入)」です。
おそらく~な版権的な事情が垣間見えましたが、鉄道コレクションの箱根登山鉄道モハ1形・2形・3形に取り付けるパーツのようです。
連結器はTOMIXの密連型TNカプラー(Sカプラー対応・黒)を使用するのでそれも一緒に。
鉄道コレクションの箱根登山電車は、連結させようとすると床下の水タンクを外さなければなりません。
ですのでそれを解決できるパーツとなっています。
うちの鉄コレ箱根登山にはモハ2形110号とモハ3形113号がいるので、両方とも連結可能にできたら面白そうじゃないかと思って買っておきました。
丁寧に切り離してからよく洗う
では、サポート材(ゲートパーツ)を切り離していきます。
精密なので力加減には要注意!
まず大ざっぱにニッパーでサポート材を切り落とし、カッターかデザインナイフで細かいバリ(ゲート痕)を切り落としていくと良いでしょう。
切り離したら、次は中性洗剤でパーツを洗います。
パーツについてしまった余計な油分や、ゴミを取り除きましょう。
小さいボウルに水を入れて食器用洗剤を溶かし、その中にパーツをくぐらせて洗います。
洗った後のパーツは、一つ一つ丁寧に拭いて水気を切ります。
スプレー塗料で下地を整えて
いよいよ塗装作業になります。
今回は少し長めの楊枝(なければ竹串)を両面テープを巻き付け、パーツを1両分ごとに仮留めしておきます。
通常は「サーフェイサー」という下地塗料を使い、下地を整えてから色をつけるところですが、3Dプリンター出力品には、そのままでは塗料があまり乗らないらしいです。
そこで出てくるのが「プライマー」。
これで表面にプライマーの層を作り、塗料を食い付きやすくするのです。
ここではGSIクレオスが発売している「Mr.メタルプライマー改」を使います。
塗り方は筆塗り・缶スプレー・エアブラシの3通りがありますが、わたしは缶スプレーで。
塗る対象からスプレーを20~30cmほど離し、缶をよく振ってからプライマーを吹き付けます。
決して1回で塗りきろうとせず、2~3回に分けて薄く重ね塗りをすることが大事!
ちなみにメタルプライマーは初めて使ってみましたが透明ですね…。
塗り過ぎには気をつけましょう。
プライマーを吹けたら乾燥を待ち、次はサーフェイサーを。
ちょっと見づらいですが、表面が明るいグレーになっていれば塗料はちゃんと乗っています。
GSIクレオス「Mr.サーフェイサー1000」を使用。
色を塗って表面保護
下地塗装が十分にできたら、ようやく本格的な塗装です。
今回はモハ2形・3形の床下に合わせて黒一色で塗ります。
使うのはグリーンマックスの鉄道カラースプレー「黒色 床下機器」。
鉄道模型に塗装を施す場合、時に1色塗ったらマスキングして2色目を塗り、またマスキングして3色目…、と長い長い作業が続くことも。
はやる気持ちを抑え、ゆっくり着実に進めましょうね。
黒色を全体に塗れて、それが乾いたら、最後に表面保護のためにトップコートを吹き付けます。
艶消し・半光沢・光沢ありの3種類から、車両に合ったものを選びましょう。
今回はGSIクレオス「つや消しトップコート」を使います。
これも透明なので塗り過ぎ注意!
TNカプラーを準備しておく
今作ってる水タンクに取り付けるTOMIXのTNカプラーは、若干の加工が必要です。
なので今のうちに作っておきましょう。
Sカプラー対応TNカプラーは連結器のパーツが二つに分かれてますので、これを一つに組み合わせます。
小さい方のパーツが「パチン」とハマればOK!
普段ならこの状態で使用可能ですが、今回はカプラーのお尻にある突起(バネと合わせる部分)も全部切り取ってしまいます。
これでカプラーの準備は完了!
水タンクを組んで取り付け!
ここまででちゃんと3Dプリンター出力パーツに色を乗せることができました。
テープにくっついていた部分は色がつきませんでしたが、組み立て前に油性ペンで黒く塗りつぶしています。
最後は組み立て!
TNカプラーをカプラー受けに差し込み…。
水タンクとカプラー受けに一緒に入るようにピンを差し込み…。
車両の床下(M車なら動力ユニット)に取り付ければ、完成!!!
鉄道コレクションの箱根登山電車に、3Dプリンターのパーツを組み込むことができました。
ちゃんと連結もできてます。
上手くできるか心配でしたが、無事に組み込むことができて何より…!
さいごに
今回はYMProjectさんの頒布品「神奈川の登山電車用 連結可能な水タンク(現行型)」を使って3Dプリンター出力品を自力で塗装し、組み立て、鉄コレの箱根登山鉄道に組み込んでみました。
塗装作業は時間と手間がかかりますが、身につければ鉄道模型の楽しみがますます広がると思います!
車両工作には抵抗があるとしても、今回みたいなパーツのグレードアップなら挑戦しやすいのかもしれません。
プライマーや下地は、塗装する部品の素材などに応じて使い分けてくださいね。
鉄コレの登山電車は今後も自宅レイアウトでのんびり走らせます。
今回はここまで!
ありがとうございました。