長らく取り上げていなかった、KATOのNゲージ製品への室内灯の組み込みを書いていこうと思います。
というのは、ポポンデッタの室内灯をマイクロエースの京阪800系に組み込むところは以前に公開しましたが、KATOとそれ以外のメーカーでは室内灯の構造が大きく異なるのです。
KATO製のNゲージで所有しているのは少ないですが、ミニレイアウトにうってつけのアレがいます…。
そう、叡山電鉄900系「青もみじきらら」!!
こいつに実験台になってもらい、KATOのNゲージ鉄道模型に室内灯を組み込む実例を紹介しましょう。
もくじ
集電シューから基盤、照明板へ
というわけで早速実物。
この箱一つで1両分の室内灯が入っています。
入っているのは左上から室内灯ユニット(ライト基盤と基盤ホルダー)、照明板、オレンジ色のカラーフィルター(今回は使わない)、銅板の集電シューです。
この他、電球色の室内灯や一箱で6両分が入ったものも発売されています。
あとで組みこみながら説明しますが、他社の室内灯は集電バネから電気を取り入れる方式なのに対し、KATOの室内灯は集電シューからライト基盤に電気を流し、基盤に取り付けられたチップLEDの光を照明板で車内全体に拡散させる方式のようですね。
メーカーが違うと室内灯の仕組みも違うのがよーくわかりました。
座席パーツと床板の間に集電シュー
とりあえずは車体と床下を分解しないと始まりません。
が、KATOの叡山電車「きらら」は2両がドローバーで永久連結されているのでそのままでは外れません。
パンタグラフがついていない車両の連結面側の台車から、ドライバーでビスを取り外して分解します。
その上で、車体と床下を分離させましょう。
TOMIX・マイクロエース・グリーンマックスの車両には集電バネを取り付けるスペースがあり、そこに室内灯のバネをはめ込む仕組みでした。
しかしKATOの車両には集電バネを取り付けるスペースがありません!
じゃあどうすんのかというと、座席パーツと床板の間に集電シューを差し込み、車端部に室内灯ユニットを取り付けることで、集電シューから室内灯ユニットに電気を送るのです。
まずはパンタグラフのついているモーター車から取り掛かります。
モーター車の場合、集電シューの「く」の字に曲がっている部分を折り込みます。
その後、小さな突起のある方の車端部から、座席パーツと床板の間のスペース目がけて銅板を差し込み、銅板の穴を突起にはめ込んで固定させます。
慣れないと意外とてこずる作業ですが、新しく差し込んだ銅板が隣の切り欠きから顔を出していればOK!
左右に1枚ずつ差し込みます。
基盤のピンのズレに注意
次は室内灯ユニットの取り付けです。
白い部分に重なっている金属のピンが集電シューから黒いライト基盤に電気を伝え、チップLEDを光らせます。
室内灯ユニットの白い部分を、車内の壁みたいな部分に差し込みましょう。
この時、基盤から細く伸びた金属のピンが、白いパーツと集電シューの間に挟まるように差し込まないといけません。
ピンが上手く挟まらないこともよくあるので、ズレてしまったら一度室内灯ユニットを抜き取り、もう一度差し込んでみましょう。
金属のピンが左右とも、集電シューと白い部分に挟まっていればOK!
車体に照明板を組み込む
集電シューと室内灯ユニットの取り付けができたら、次は透明なパーツ、照明板を組み込みましょう。
LEDから発せられた光を、照明板で車体全体に行き渡らせるのです。
ところが照明板は車両によって取り付け方が異なり、「きらら」の場合、車体にはめ込みます。
照明板の片側には等間隔で切れ目が入っており、車体が短い場合はプリズムを折って長さを調整します。
「きらら」では切れ目を一つ残して3つ分カット!
車体の内側上部にプリズムを取り付ける爪があるので、そこに引っ掛けて取り付けましょう。
この時、白い印刷のある側が屋根を向くようにします。
あくまで「きらら」の場合ですが、そのままでは外れやすいので、照明板を固定する爪に小さく切った両面テープを貼っておくと外れにくくなります。
そしたら車体と床下をもとに戻し、モーター車への室内灯組み込みはこれでOK!
トレーラー車の集電シューは折らない
モーターの無いトレーラー車に関しても取り付け方は同じ。
しかしトレーラー車の場合、座席パーツと床板の間に挟む集電シューを折らずに差し込みます。
車両によって微妙に違う
今回加工した「叡山電鉄900系<青もみじきらら>」は、屋根を外さない車体でした。
ひと言にKATOのNゲージといえど、車両によって屋根を外せるものや、今回みたく屋根を外せないものなど様々あります。
室内灯を組み込みたい車両がどういう車体なのか、同梱の説明書と照らし合わせた上で、適切な手順で室内灯の組み込みを行いましょう。
開放感ある車内がさらに明るく
モーター車とトレーラー車の両方に室内灯が組めたら、早速試してみましょう!
組み込んで良かった!!!
叡山電車900系「きらら」は窓が大きく、鞍馬山の景色を大パノラマで楽しめる列車です。
開放感も十分にあるので、室内に明かりが灯っていた方が映えますね。
わたしの手持ちの鉄道模型ということで叡山電車が出て来ましたが、他の車両にもこのノウハウは役立つはず。
手持ちの車両や、購入したばかりの車両にKATO製のものがあれば、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
さいごに
今回はKATOの鉄道模型「叡山電鉄900系<青もみじきらら>」を使い、室内灯を組み込む様子を紹介しました。
集電シューを伝う方法で電気を送る方法は他社と違っていて、慣れないと難しいかもしれませんが、上手く組み込むことができれば鉄道模型が一段とカッコよくなります!
ので、すでに持っている車両をグレードアップさせ、愛車に昇華させるのもまた良い楽しみ方ではないでしょうか。
今回はここまで!
ありがとうございました。