ミニレイアウトのメイキングは前回、山に紙粘土を、擁壁にキッチンペーパーを使い、色塗り前の段階に来ました。
今回はそれらも含め、いよいよ地面に色を付けていきます!

人によって使用する絵の具や塗料が異なると思いますが、わたしは「アクリルガッシュ」を使って地面を彩っていきます。
ぜひぜひ参考にしてくださればうれしいです。



めっちゃ薄めた色水を用意

山から色を付けていきます。
冒頭に挙げた「アクリルガッシュ」をわたしはいつも使っていますが、これは他の水彩絵の具と同じように水で薄めて使うことができ、乾くと耐水性になる絵の具です。

そのため後から重ね塗りをしても前に塗った色が溶け出ることが無く、ジオラマ制作に有用だと思っています。

下の写真のうち、山を着色する時は主に「ニュートラルグレー7」「ローアンバー」「グレイッシュベージュ」をメインにし、ところどころ「ブラック」「オリーブグリーン」などで色味の違いを出すと良いでしょう。

絵の具2~3ほどの割合に対し、水を5以上の割合で薄め、めっちゃ薄い色水を作っておきます。

置くように着色

次は平筆かハケを用意してください。

色水を筆にたっぷり含ませて、その筆をポンポンと置くように、斜面に着色していきます。
わたしの場合、前述の通り全体的には「ニュートラルグレー7」「ローアンバー」を塗っていき、要所要所で「ブラック」「オリーブグリーン」を付けました。

かなり薄めた色水を斜面に流しているため、ふもとに色水が溜まるのがネック。
ときどき拭き取りながら作業を進めてください。

地面はベージュとブラウン混ぜ合わせ

この流れで平地も塗ってしまいましょう。
ベニヤ板がむき出しになっている部分です。

ここは土の色にしたいので、アクリルガッシュの「グレイッシュベージュ」にほんの少し「グレイッシュブラウン」を混ぜて、明るいけど地味な色の色水を作ります。

そのまま平筆またはハケで、ベニヤ板がむき出しの部分にベージュを塗りたくってやります!!

もともとベニヤ板も明るい色をしていたので見分けがつきにくいですが、ブラウン入りのグレイッシュベージュを塗った後のベニヤ板はくすんだ明るい色に変わりました。
これが乾けば地面の下地塗りはOKです!

スチレンボードの断面も忘れずに

本作ではアスファルトの部分にスチレンボードを使用しています。
ベニヤ板の面とスチレンボードの面で若干の段差ができてしまうので、スチレンボードの断面にも色を付けておくことをおすすめします。

そうすると、その段差もレイアウトに使う色と同じ色になるので浮かなくなります。
スチレンボードってもともと白いですから、なにも塗らないままでいると、後で断面だけ浮いてしまって悪目立ちするんじゃないかと思うのでね。
断面にも抜かりなく、絵の具を塗ってやってください。

外枠の色付けは見映え向上

また、レイアウト外側の角材の部分もアクリルガッシュで色を付けておくこともおすすめです。
わたしの場合は「グレイッシュブラウン」を薄めて角材に塗ってあります。

これで木材の色の明るみが抑えられて、落ち着いた見た目になります。
正直なところ、枠組みに塗る絵の具は何色でも良いですが、できればブラウン系の色が良いかな~と思ってます。

アスファルトはグレーにちょい足し

斜面と地面を塗れて、なおかつ乾燥したら次はアスファルトと擁壁を塗りましょう!
グレーで塗るべき部分をまとめて片づけていこうと思います。

わたしのやり方としては、アスファルトはアクリルガッシュの「ニュートラルグレー7」に「グレイッシュベージュ」をごく少量混ぜ、やや濃い目になるように薄めます。
擁壁に塗るグレーは、原液ではないけど濃い目の色水になるように。

ベージュ入りニュートラルグレーの色水を平筆とハケで塗りました。
乾ききっていない部分があるので写真の色はムラができていますが、乾くと明るめのグレーになります。

また、後でストラクチャーで隠れる部分は、ちょっとグレーがはみ出してもそんなに目立たないので、今は気にしないでおきましょう。
グレーのはみ出しが目立った場合は、後からベージュかブラウンで上塗りしてしまえば良いだけのこと。

大事なのは重ね塗り

地面に色を付けていく中で大事なのは「重ね塗り」です。
薄い色を2~3・4回に分けて付けることで、画一的でなく、ところどころムラのある、リアルな地面が出来上がるのだとわたしは考えています。

なので1回目に絵の具を塗ったら一度乾かし、乾いたらまた色を塗ってまた乾かし…、これを3・4回繰り返しました。

逆にアクリルガッシュの原液を塗りたくってしまうと、塗膜が厚くなってしまい、乾燥した後にひび割れが起こる可能性があります。
決して1回で済まそうとせず時間をかけて色を塗り重ねていくことが大事です。

ジオラマ制作は1日2日程度で簡単に終わるものではありません。
だからこそ、自分の思い描いた情景が少しずつ組み上がっていく過程が楽しいのです。

フィールドは想定より明るい

もうひとつレイアウトに色を付ける上で考えていることです。
わたしは基本的に晴れの天気模様のつもりでレイアウトを作りましたが、

晴れている時、地面は思っているよりも明るいです。

撒かれた直後の土や、突き固められた直後のアスファルトは暗い色をしていますが、時間が経つにつれてだんだん明るい色に褪せていきます。

鉄道模型レイアウトで日常風景を作る場合は、土や道路の色褪せ具合も反映させてあげるとリアリティが増すのではないかと思います。
だから思っているよりも明るい色の地面に塗り上げたのです。

わたしたちも現実世界で生活する中で、道路を歩き、土や植物に触れる機会が必ずあるはずです。
レイアウトの着色に困った時は、他の人の作品を参考にするのももちろん、自分が暮らしている周辺の環境を今一度観察してみてはいかがでしょうか。

何気ない日常生活そのものが、ジオラマ制作の最強のヒントになるはず!

次回は草撒き

ちょうど区切りの良いところまで来ましたので、今回はここまでにしましょう。

今回は山と地面、それからアスファルトとキッチンペーパー擁壁に色を塗りました!
ここで、いったん退けていたストラクチャーをまた並べてみます。

まだまだ不毛な大地っぽさが拭えませんが、まだまだ盤上は彩り豊かになっていきますよ!

わたしは「アクリルガッシュ」を使って色を塗りましたが、その時は薄めた色水を2~4回にかけて重ね塗りすることを忘れずに!
他の塗料を使う場合は、他の作品も参考にしてみてください。

次はバラスト(砕石)と草を撒きたいと思います!!
次からがまた一気に雰囲気変わりますので、ぜひ次回もご覧くださいね!