ちっちゃくて集めやすいのに国鉄っぽさを無限に楽しめる鉄道模型に、2軸貨車がありますよね!
一両一両が低コストでほとんどがミニカーブ対応なので、小型レイアウターとしても非常にありがたい存在です。
それでいて、小型車両と思えないぐらい壮観な長編成も再現できます。
そんな2軸貨車の連結器はアーノルドカプラーがデフォルト。
使い勝手が良い反面、広い連結間隔と大ぶりな見た目がネックになります。
各社純正のナックルカプラー(自動連結器)も千差万別。どうしましょう…?
私もKATO・TOMIX2軸貨車のカプラー問題には悩んでいまして、その末にKATOナックルカプラーで解決しました!
今回は、KATO・TOMIXの2軸貨車をKATOナックルカプラーに統一する加工例を実演します。
ミニカーブレールでの走行が前提につき、車間距離は詰めません。
作例に使ったワフ29500形の分解方法と、おまけの車掌室点灯化もあります。
よければこのままご覧ください!
※改造・加工は必ず自己責任で行ってください
2軸貨車のかもめナックル
まずはKATOの2軸貨車をナックルカプラーに交換します。
これは特に悩むことはありません。
「2軸貨車用ナックルカプラーセット」を使います!
「かもめナックル」こと「ナハフ11かもめナックルカプラー」を2軸貨車用カプラーポケットと一緒に使うセットです。
製品名だと長いので本稿も「かもめナックル」呼びで続けます。

かもめナックルはナックルシャンクとリップシャンクの分割構造。
大きいほうが前者で小さいほうが後者です。

これらを組み合わせて一つのカプラーを形成します。

その後、かもめナックル用カプラーポケットにカプラーを嵌め込み、スプリングを挟んで貨車の床下へ。

かもめナックル用のカプラーポケットにはカプラー受けピンがあります。
アーノルド用ポケットにはピンがありません。
これでカプラー本体が首を振り、バネの力で復元します。

このように、可動式のかもめナックルにはスプリングが必須です。
吹っ飛ばさないように注意しましょう。
万一やらかした場合はカプラースプリング単体の分売品をお求めください。
ジャンク品のワフをナックルカプラー化
では、これをKATO貨車に組み込んでみましょう!
今回はジャンク品として入手した国鉄ワフ29500形を実験台にします。
2軸貨車にして、貨物室・車掌室合造車です。

ジャンク品たるゆえんは、車両ケース・付属パーツなしでテールライト非点灯だったから。
そのため、デッキ側ブレーキハンドルをワフ104形、屋根上煙突をスエ78形のASSYパーツで代用しています。
さらにテールライト非点灯のはずが無加工で点灯しました。

ワフの構造がやや特殊なので分解に少々手間取りました。
普通の2軸貨車は車体裾を広げることで床板と分離できます。
ワフ29500形の分解は、車体を外す前に車掌室側デッキが先です。
床下の突起、屋根裏の差し込みを意識すると丁寧に外せます。


それでようやく車体を床板から外せます。
大きめのウェイトは車体側に行き、床板には内装パーツや集電板などが残りました。

さらにステップ、内装、ライトレンズも外します。

ここまで来たら、アーノルドカプラーポケットの爪を上から外してかもめナックルに付け替えます。
必ずカプラーポケットごと交換してください。

なお、デッキ側は車体を組み戻してからカプラーポケットを装着するほうが良いです。

前後両方とも交換できたら、逆の順番で部品を組み戻してカプラー交換完了!
デッキが引っかかって取り付けできない場合、カプラーポケットを外してデッキを装着してから再挑戦しましょう。

普通の2軸貨車は、慣れたら床板の下からポケット側面を押し込むことでもポケットを外せます。
ただし、少し力が要るので細い部品を折らないように注意。
ワフは部品を割るリスクがもっと高まるので分解してのカプラー交換をおすすめします。
ワフ29500形の車掌室点灯化例
おまけで、ワフ29500形の車掌室を点灯化させました!
テールライトが点灯するということは、当然ライトユニットも備わっているということ。
天井の赤いLEDから内装と床板の間に導光し、テールライトを点灯させていました。
カーボン抵抗の付いていない側が車掌室側です。
そこにチップLEDとチップ整流ダイオードを2ペア、並列で互い違いになるようにはんだ付けしました。
電流制限はチップ抵抗(2kΩ・1/4W)で行っています。

今回はいつもの自作室内灯で使っているブリッジダイオードが入らないと判断して直接はんだ付けにしました。
抵抗は左右どちらかで良いです。

車体を再組立して点灯させるとこんな感じ。
テールライトも光ってますね!
LEDのはんだ付け難度を優先して白色LEDにしましたが、本当は電球色LEDを使うと旧型車両らしさが増します。

また、今回はコンデンサーがないので結構チラつきます。
接点各部の状態を良好に保ちましょう。
TOMIX2軸貨車にもKATOナックル
続きましてTOMIX2軸貨車もナックルカプラー化します。
TOMIX2軸貨車には、かもめナックルではないKATOナックルカプラーを使います!
KATOナックルも分割構造で、電気・ディーゼル機関車向けです。
長・短両方買いましたが、短いほうだけで十分でした。

ただし、TOMIX2軸貨車に使うなら加工が必須です。
ピン穴を1.5mm径ドリルで拡幅し、カプラーポケットのピン穴の上面を削ること。


カプラーの首とピン穴周りの段差を極力なくすようにしましょう。
完全にツライチにならなくても、加工前より削れていればOK。

したらピン穴の上面だけ、穴の後ろ側をハの字状に切除してください。
これをしないとカプラーポケット天井の丸い突起が干渉します。
なお、切るのは上の1段だけ。
下まで刃を貫通させてはいけません。

カプラー先端が垂れ下がるので、ナックルシャンクの軸の下面、ピン穴前方からカプラーポケット先端までの部分に0.3mm厚のプラ板を貼りつけても構いません。
貼った場合は黒く塗り潰しておきましょう。

TOMIX貨車だと、KATO貨車のナックルカプラーより若干低い位置でカプラーが保持されます。
2社混結の際に覚えておくと良いでしょう。
加工したKATOナックルへの交換方法
加工したKATOナックルを、今回は南部縦貫鉄道ワフ1形に組み込みます。
TOMIX2軸貨車のカプラーポケットは床板にモールドされており、裏ブタを外して交換するしくみです。
マイナスドライバーを裏ブタ側面に差し込み、内側に力を加えながら引き上げてください。
片方の爪が外れればもう片方はあっさり取れます。

デフォルトのアーノルドカプラーはこうなっています。
薄い真っ平らな板バネで保持しているようです。

これを、加工したKATOナックルに交換しましょう。
板バネもKATO板バネに交換すると良いです。詳しくは後述。

交換できたら、裏ブタを元に戻して加工完了!
裏ブタを戻す前に爪を外側に少し開いておくと固定しやすいです。
あまり爪が内側に向くとブカブカしちゃいます。

ちなみに、同じ2軸車両でカプラーポケット構造が同じである、ノス鉄向け動力ユニット「TM-TR07」も同じ方法でナックルカプラー化できます!
ノス鉄2軸車両の動力化についてはこちらをご参照ください。

この場合、ウェイトは外したほうが作業しやすいと思います。
ノス鉄もカプラー交換したほうが引き締まるので、手の空いた時に施工しておくと良いですよ。
TOMIX貨車にもKATO板バネを
TOMIX2軸車両にKATOナックルを仕込む際、板バネにも注意しましょう。
KATO板バネはくの字の頂点がリップシャンクを保持し、閉じた状態を復元します。
対するTOMIX板バネは真っ平です。
純正アーノルドカプラーならそれで良かったんですが、KATOナックルが相手だと保持力が足りません。

結果、ナックルカプラーが勝手に解放する原因になります。
それを防ぐためにはTOMIXのカプラーポケットにもKATO板バネを組み込むべし!
KATO板バネは、TOMIX板バネよりも幅が広くとられています。
TOMIX板バネに合わせ、6.0mm幅程度まで切り詰めると良いでしょう。

薄いとはいえ銅板ですので、よく切れるカッターかデザインナイフを使うこと。
刃がヘタっていたら新しい刃を出しましょう。

切除時に当てたカッターで折り目が伸びるので、元の折り目に沿って板バネを再度折り曲げましょう。
その上で、ナックルカプラーの後ろに加工したKATO板バネをセットすれば準備完了です!
ケンヤ手持ちの2軸貨車はR140を通れるか
これらの作業を手持ちの2軸貨車ほぼ全てに行いました。
KATO2軸貨車はかもめナックル、TOMIX2軸車両は加工したKATOナックル(短)で統一しています。
自宅レイアウトで使用しているR140ミニカーブを曲がれるでしょうか。
KATO2軸貨車でよくあるサイズ同士、ワフ29500形とレ12000形。
R140までのカーブは余裕で通行できそうです。

レ12000形と、標準より小さいワ12000形。

ワ12000形同士。
小型貨車同士なら何の心配もありません。

レ12000形と、なぜか若干大きいワム80000形旧製品。
ワムハチ旧製品同士だと厳しそうですが、標準サイズの間に1両挟む程度なら大丈夫だと思います。

続いてTOMIX2軸車両です。
ノス鉄DB20型とTOMIXワム80000形旧製品。
このワムハチは車体こそ旧仕様ですが、足回りを現行品に換装しています。
R140だとDBのひさしに当たりそうですがギリギリで済みました。

DB20型とタム6000形旧製品。
このタム6000形も足回りは現行品に換装済みです。
ワムハチに比べてスペースに余裕が見られます。

ワムハチとTOMIXレ12000形。
ワムハチどころかレ12000形もKATO車両に比べて若干小柄です。

ワムハチとタム6000形。
どちらも足回りを現行品に交換したのでミニカーブを通れるようになっています。
上回りはただ外して入れ換えれば良いだけ。非常に簡単!

ノス鉄DB20型とKATOワムハチ旧製品。
ひさしの超ギリギリまで間隔が詰まりました。
この2車両はこれが限界でしょう。

最後にKATOワムハチとTOMIXワムハチ(どっちも旧仕様)。
KATOのほうがTOMIXより大きいのがよく分かります。
しかし、両方ナックルカプラー化した上で、R140カーブを干渉せずに通行できました。

掲載した組み合わせは私が持っている貨車同士に限ります。
ここに載っていない貨車同士の連結間隔は各自でご研究ください。
ただし、2軸貨車に限っていえばKATOワムハチ旧製品より小さければ何とでもなると思って良いんじゃないでしょうか。
複数メーカーの貨車をもっと楽しめる!
なんにせよ、これでアーノルドカプラーからナックルカプラーへ換装できました!
KATOとTOMIXの2軸貨車を交ぜて遊ぶことができます!


同じ方法でノス鉄動力のカプラーもKATOナックルにしています。
見た目も引き締まりました。

こちらはL型機関車と南部縦貫鉄道の木造貨車。
両社の貨車を混結できるとはいえ、やはり同じメーカーのほうがカプラーの高さも安定します。

ローカル貨物の小編成としてはこのくらいがちょうど良いかもですね。
ただし、2軸の動力はデフォルトのウェイトだけだと軽いので、外から見えない箇所に板オモリで加重すると安定します。
L型はだいぶずっしりさせました。

いろいろなメーカーの貨車を集めている人にとって、カプラーは意外と根強い課題。
カプラーの種類や長さも含めて、ぜひともご参考になれば!
さいごに
短いほうのKATOナックルでR140いけたのは個人的に好印象でした!
本稿で実演した加工はKATO・TOMIX車両のみですが、マイクロエースや津川洋行の貨車も入手したらまた試してみます。
また、かもめナックル及びKATOナックル以外も各自ご研究願います。

カプラー本体の交換・加工もそうですが、板バネも同じくらい重要です。
一度TOMIX板バネのままレンタルレイアウトに持って行ったら見事に泣き別れしました。
そしてKATO板バネに交換して無事解決しました。
とはいえ、意外となんとかなるし、KATO製品ですので入手も容易です。
お近くのホビーショップや大手通販を探してみてください。
今回はここまで!
ありがとうございました!
