Nゲージの自宅ミニレイアウトの改修工程の解説をしています。
前回は補助フィーダーの役割と増設例を掲載しました。
時間が開きましたが今回が大本命!
バラストの外付けパネル化、つまり、取り外せるバラストを作りました!
通常、鉄道模型のレイアウト・ジオラマを作るなら、線路の砂利(バラスト)は線路周りに直接撒いて、木工用ボンドを溶かしたボンド水で固めるのが一般的。
ですが、この改修で私はあえてバラストを固めたパネルをプラ板とスチレンボードで作りました。
そうすることで固定レイアウトでもバラストが脱着可能になります!
今まで以上のイージーメンテナンスをめざした新しい試みです。
前回の補助フィーダー増設はこちらからどうぞ。
※必ず自己責任で作業してください
固定前の線路でケガキ・切り抜き
作業工程はレイアウトから線路を剥がした段階までさかのぼります。
外付けのバラストパネルは線路固定前に作り始めないといけません。
敷設後にやるともっと大変だと思います。
今回は、プラ板(1mm厚)を下敷きに、スチレンボード(2mm厚)を貼り重ねた細長いパネルを形作っていきます。
高さの合計は3mm、TOMIX線路に偶然合いました。
まずはプラ板を切り出していきます。
道床付き線路をプラ板の上に置いてマスキングテープなどで固定しましょう。

その後、その道床の形に合わせてケガキしてください。
基本的には道床の外側にあたる部分を切り出し、複線部分は線路同士の間もパネルで埋めます。

したら、ケガキに沿ってプラ板を切り出しましょう。
ただしケガしないように注意!
一発で切り落とそうとしないで少しずつ何度も刃を入れて切ってください。
下の写真は全部5mm幅で切り出していますが、後で駅構内以外のパネルを3mm幅に詰めました。

どちらの面が裏側かはきちんと区別しましょう。
併せて、どちらの辺が道床に接するかも書いておくと設置しやすくなります。

スチレンボードも切り出します。
切り出したプラ板を、裏面を上にしてテープで仮止め、そしてケガキ。

この時、スチレンのプラスチック道床側を1mm延長させます。
プラ板との接着前に延長分を斜めに切ることで、道床にフィットさせやすくします。

スチレンボードは、接着前に道床側の張り出しを斜めにカット。
その後、カーブ外側を合わせてプラ板とピッタリ接着しましょう。
さらに、貼り合わせた状態で今度はカーブ外側の端から3mmの位置にケガキ線を入れ、線に沿って斜めにカット!
先にスチレンを切って、プラ板はケガしないように刃を入れてください。

これがまぁ~大変なんですが、上手くいけばパネルと道床の隙間を低減しつつ、バラストが斜めに盛られている形状も再現できます。
プラスチック道床の側面を隠すことに変わりはないので、隠した部分に代わって斜めの盛り上がりをちゃんと形作りましょう。

カーブの外周には、三角プラ棒(1mm幅)を10mmに切り分けてから接着しました。
これで、カーブ外側のバラストの盛り上がりを再現できればと考えています。
カーブ内周にも盛り上がりを付けるなら内周側のパネルにも三角棒を貼ってください。

これでパネルのベースができました。
ほぼピッタリプラスチック道床に寄り添って、高さも良い感じ!

ただし、細長いがためにすぐ反るのが欠点。
曲げ癖を付けて修正してください。
固定した線路との合いを見て調整
外付けバラストパネルの次の工程は、道床付き線路をレイアウトボードに固定しないと行えません。
線路ジョイナー清掃・交換と再設置についても記事を出していますのでよかったら。
さて、ボードに固定した線路にバラストパネルのベースをあてがってみます。
まだパネルを切り分けていないので、レイアウト中の道路や構造物に当たってしまいます。

道路に干渉する部分のパネルは、干渉する位置をけがいた上でカットしてください。
色塗ったりバラストを固定したりするのを考えて少し多めに切ると後で設置しやすくなります。

TOMIXフィーダーを使っている場合、フィーダーのプラスチック部分がスチレンボードにだけ干渉します。
スチレンだけ切ればOKなところはその通りに加工しましょう。

ただの単線だけなら楽ですが、難関が3つあります。
その一つがホームとの干渉です。
先にホームの位置・長さを決めてからパネルを切り詰めないといけません。
一度パネルを切った上で、ホーム位置やパネルの長さを間違えた場合は、切り落としたパネルを再度接着しやり直しましょう。
このため、カットして不要になった部分も完成まで捨てないでください。

厄介な場所2つ目はポイント周辺です。
分岐側のカーブを切り抜くのがまず大変な上に、TOMIXポイントだとダミーのポイントマシンも付いてきます。
ポイントマシンを含めた形でパネルを作るか、ポイントマシン部分を含めないかで切り抜き方が変わります。
今回はポイントマシンも収めることにしました。

ポイント設置場所の間近に段差が迫っている場合、ポイントマシンの前後でパーツを分け、一体成型をやめる判断も必要です。
他にもプラスチック道床との干渉位置があれば適宜調整してください。

とくにスイッチ可動部周辺はやや大きめに切り欠くようにしてください。
プラ板・スチレンボードが当たるとスイッチ動作を妨害してしまいます。
さらに、その切り欠きに沿った高さ1mm程度のガードを立てておくと、後でバラストがこぼれません。

3つ目は他の小物との兼ね合い。
パネルに信号機などが設置する場合、またはパネルに架線柱がくる場合は、それぞれに合わせた切り欠きや穴あけも必要です。
下がプラ板なので、スチレンボード単体よりも頑丈につくれるはずです。

今回は、グリーンマックスの3灯信号機用の切り欠きと、ジオコレ架線柱用の穴を開けました。
ジオコレ架線柱の突起が少し長かったので若干切り詰めています。
信号機のベースを無理なく収め、架線柱は外しやすくてしっかり嵌まりました。

まとめると、いきなり細かく作ろうとせず、最初は線路全体分作っておいて、後から切ったり削ったりすれば良いのです。
白の地は塗装すべし
全てのパネルのカットと成型が終わったらいよいよ塗装します。
プラ板もスチレンボードも色が白いので、そのまま進めるとバラスト固定後に白の地が悪目立ちしてしまいます。
プラ板の層に水性ホビーカラーのつや消しブラックを筆塗りしました。

その後、断面とスチレン部分も含めた全体に、アクリルガッシュ「ニュートラルグレー7」と少量の「ニュートラルグレー5」を混ぜたグレーを塗ります。
バラストを固定した後もプラ板・スチレンの地は完全には隠れないので、塗装しておくと下地が悪目立ちしないで済みます。

ポイントスイッチのガードも忘れずに塗装しましょう。
このバラスト止めが後ですごく重要になります。

まだ途中ですが、完成時のイメージがこんな感じ!

グレーで塗っただけの細長いパネルにバラストを固着させることで、取り外し可能なバラストになります。
色が付いてくればあともう少し!
ボンド強めの水溶液でガッチリ固着
では、バラストをこのパネルに固着させます!
両面テープを貼った割りばしにプラ板の底面を固定してから始めましょう。
必ず要らない新聞紙や包装紙を敷いて作業してください。
バラストがむちゃくちゃこぼれます。

バラストの種類や配合はお好みでどうぞ。
私はKATOバラスト(灰色)にTOMIXバラスト(ブラウン)を3:1で交ぜました。
水に濡らすのでこれより1段階暗めに仕上がります。

通常のバラスト撒布とは異なり、霧吹きは使えません。
まずは木工用ボンドを2倍に溶いたボンド水(中性洗剤はまだ入れないで)を筆塗り。
接着剤強めのボンド水でバラストをガッチリ固定します。

バラストを撒いたらヘラなどで形を整えましょう。

この調子でいったんパネル全部にバラストを固定してしまいます。
細かい調整は後でやるのでとりあえず進めちゃいましょう。
ただしパネルの断面にはバラストを撒かないでください。
パネルの断面は隣のパネルの断面と触れ合いますから。

ひととおりバラストを固定したら、先ほどのボンド水に中性洗剤(界面活性剤)をごく少量混ぜます。
これで普通にバラスト撒布するのと同じボンド水になります。
したら洗剤入りボンド水を再び筆に取って、斜面に固まったバラストに優しく触れてください。
ボンド水がバラストに浸透していきます。
上手く固定できなかった箇所や、下地が目立つ部分はここで微調整しましょう。

乾燥は時期によりますが、薄く撒いたなら3~4時間。
厚く盛った部分は半日程度は見ておきましょう。
軽く表面を触ってカチカチになっていれば完成ですので、両面テープ割りばしから慎重に剥がしてください。

撒いてこぼれたバラストは再利用できます。
適宜元の容器に回収して次のバラスト撒布に役立ててください。

作業1回で全パーツに撒布できなかったので、こうしてバラストを回収して2回に分けてパネルを作りました。
複線間にKATO側溝を固定する場合
ちなみに、パネル上に構造物を一緒に固定する場合はバラスト撒布前に固定してください。
今回は複線部分の間にKATOの側溝を接着しました。


KATOの側溝は底面が1mm程度かさ上げされています。
本作のパネルには不要なので、カッターやデザインナイフで切り落として使います。

加えて、そのままだとのっぺりな表面にアクリルガッシュでスミ入れもしました。
黒い絵の具:水を1:4程度に薄めてから、弱アルカリ性掃除用洗剤「マイペット」を少量混ぜました。
それにより、アクリルガッシュでもスミ入れしやすくなります。

溝にだけ黒を残すため、余分な塗料は乾燥後に除去します。
水で薄めた塗料なので水に濡らした綿棒で簡単に落とせます。

仕上がりはこんな感じ!

これらも強いボンド水でバラストを固め、洗剤入りボンド水で浸透と調整を行いましょう。

なお、ボンド水が乾くとやっぱりどうしてもパネルが反ります。
軽く曲げ癖を付ける程度ならバラストは剥がれないので、レイアウトへの接着前に反りを修正しておいてください。
これでバラストパネル自体は完成です!
仮置き・接着そして微調整
完成したバラストパネル、つまり取り外せるバラストは、ゴム系接着剤でレイアウトに固定します。
必ず仮置きして、線路に正しく合うことを確認してから接着してください。
接着剤は点付けで良いです。
あまり塗りすぎると外すのが大変になっちゃいます。

カーブレールのパネルは、そのままだとプラスチック道床に追従しない部分があるかもしれません。
繰り返しですが変な反りは接着前に修正してください。
ゆるいS字カーブではどうやっても反りを修正できなかったので、区切りの良い部分でパネルを分割しました。

バラストを固定した後でもパネルの切り分けは一応できます。
やむを得ない場合はお試しください。
ただし、未塗装の断面が露出するので色を塗り足してください。

このように、全1周分の線路の両側にバラストパネルを接着します。
設置後に車両の試運転やポイントの動作確認を行い、全ての問題が解決したら完成です!
もちろん、ボード上のホコリも可能な限り除去しときましょうね。
続きは完成編へ
約半年に及ぶレイアウトの大規模がようやく完了しました!
が、だいぶ長くなったので記事はここで一区切りつけましょう。

苦労して作ったは良いけど、正直普通にバラスト撒くほうがたぶんリアルです。
ですが、メンテナンスしやすいレイアウトをめざすための一案にはなり得ると思います。
メンテナンスしやすいなら、それだけ長く遊べるレイアウトになるはずです。
なお、フレキシブルレールでは脱着可能バラストはおそらく使えません。
フレキシブルレールを使用する場合、またはリアルな線路表現を優先する場合は従来通りの方法が良いと思います。
レイアウトメンテナンスは次回が最終回!
改修した部分をおさらいしながら、改修完了したレイアウトで撮影してみましょう!
ということで今回はここまで!